組織的なプレッシングはどこでかけるのが理想的!? 小学生時代から積み重ねたい戦術メモリー

2016年07月28日

コラム

「前に出ていく守備」が効果的

 当時すでにスペインでユース年代を教えていた私の感覚からすると、そのあたりの判断はもう高校生である以上自分でジャッジでき、ゾーン2に入ってきたらスイッチを切り替えてプレッシングに行く守備は当たり前のものとしてできるものと考えていたのですが、その日本の高校生たちはリアクションで相手の攻撃のプロセスとスペースを認知して「自分が何をすればいいのか」というプレーの判断をできませんでした。

 この経験と反省から、今ではまずはゾーン3から前に出て行き、組織的なプレッシングを実効する守備からやっていくのがいいと私は考えていますし、少なくとも日本で指導する時には「前に出て行く守備」から教えます。

 相手に対してリアクションすることから始めるのではなく、自分たちからアクションを起こしていく方が導入としてはやりやすいというのが私なりの見解です。

 まず自分たちが連動して前にプレッシングをかけていき、その結果はがされてうまくいかないという経験値と戦術メモリーを基に、「ゾーン2で待つ」というリアクションのプレッシング、守備を教えていく方がいいでしょう。

 ゾーン3で組織的なプレッシングをかけにいくことを経験しないデメリットは、次のようなものがあります。

1.リスクをかけて前に出ていき、奪うという成功体験をしない。
2.リスクをかけて前に出ていって、はがされるという失敗経験をしない。
3.前に出ていくということを体験しないため、守備でのアグレッシブさを理解できない。

 育成年代は失敗が許される年代です。
 
 上の年代になればなるほどミスが許されないカテゴリーになりますから、小学年代の時にこそ、前から連動してプレスをかけにいく守備にトライし、そこで成功と失敗の両体験を積み重ねるべきです。

 そうして得られる戦術メモリーは必ずやその先の中学、高校、大学、あるいはプロのカテゴリーとなった時に貴重な財産となります。

(続きは『サッカー 新しい守備の教科書』よりお楽しみください)


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【商品名】サッカー 新しい守備の教科書 優れた戦術は攻撃を無力化させる
【発行】株式会社カンゼン
【著者】坪井健太郎
四六判/288ページ
2016年7月26日発売予定

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