悲劇を繰り返さないために――。インターハイベスト16の強豪・大阪学院大学高校の選手権予選棄権の真相

2016年11月07日

コラム

棄権扱いに至るまでの経緯

 まず、全体像を把握する意味でも、今回の騒動についての概要を簡単にまとめてみたい。

 9月10日の産経新聞(web版)では、一連の経緯について以下のように報じている。

6月12日 抽選会で部員が開会式概要を受け取り、顧問に渡す
8月7日 開会式に規定の人数がそろわず「棄権扱い」に
8月10日 顧問が選手に経緯を伝えて謝罪
8月11日 学校が臨時の保護者会で謝罪
8月22日 保護者会が大会参加を求める嘆願書を提出
9月5日 大阪高体連が大会への参加を認めないことを学校へ通知
10月23日 初戦となるはずだった5回戦の試合予定日

 9月5日時点で大会運営を行う大阪高体連は「過去にも同様に棄権となった例があるので、今回だけ参加を認めることは難しい」と伝え、同校の選手権不参加が決定した。

 一連の騒動で腑に落ちないのは『なぜ大阪学院大学高校は誰も事前に開会式の日程に気づかなかったのか』という点だ。大阪高体連関係者によれば、毎年開会式の告知書類は抽選会の際に手渡しされるという。また「抽選式では顧問だけでなく、生徒も参加するため生徒も日程をチェックしているはず」との言もあった。

 さらに今年は大幅なルール改正に加え、開会式後に指導者講習会を予定したこともあり、夏休み前の7月15日~20日にかけて指導者講習会の概要と並列で、開会式の日時を告知するFAXが送信されている。簡潔に言えば、今年は“特例”ともいえる再告知の機会が設けられていた。

 開会式欠席の理由について産経新聞(同上)は、「同校は顧問が日程を1週間勘違いし、開始までに規定の人数がそろわず、大会要項に基づき棄権扱いになった」と報じた。保護者会が集めた嘆願書の内容に、「学校側の不手際なので、罰則はいたしかたないと思っておりますが、選手たちには、罪はないのです」との記述があるが、上述した内容を踏まえると、本当に生徒たちが確認すべき術はなかったのか、という点には疑問が残る。

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