【第40回全日本少年サッカー大会】「ミスを恐れてチャレンジしないことが大きな失敗」。完敗で大会を去ったヴァンフォーレ甲府に見る、次につなげるゲームの終わらせ方/決勝大会レポート

2016年12月30日

大会情報

試合中、うまくいかない状況でどうするかが次への一歩

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 この試合、横浜が終始主導権を握っていた。1トップを張る甲府のエース・内藤大和くんをマンマーク気味に抑え、攻撃の起点を機能不全に陥れることで得意のロングフィードからの組み立てをほぼ無効化した。

 また、甲府のゲームメイカー・渡邉春翔くんがボールを持てば激しくチェックし、もう一人のキーマンの自由を奪うことでチャンスを与えない戦い方を徹底して行った。

 甲府の立場からすれば、手立てがなかった。両サイドのDFラインから対角線上にロングフィードを送って何とかチャンスを作ろうと試みるも、トップと両サイドハーフはそのボールを追うばかりで足元に収まらないため、チームとしてゲームの流れを引き寄せられるはずもない。ショートパスでゲームを作ろうとしても組み立てのキーマン二人を抑えられ、時間とともに精神的なトーンダウンが明らかに見てとれた。

 一方の横浜は、のびのびとプレーしていた。DFラインから丁寧に中盤、そしてFWにパスをつなぎ、自分たちの形であるサイド攻撃を仕掛ける。ピッチの幅を広く使いながら状況に応じてサイドからクロス、斜めへのクサビのパスを選択し、突破力を備えた選手を生かす攻撃は、甲府にとってみれば展開が読めてはいても止められないほどの出来の良さで、心と頭の余裕をもなくすほどだった。

 前半に先制点を許し、後半早々に2点目を決められたあたりからは甲府の選手全員がパニックに陥っていた。西川監督が珍しく「攻撃的に前に仕掛けろ」とメンタル面での指示をテクニカルエリアから叫んでいたのが、それを物語る。

「失点を最小限に食い止めて、自分たちが得点を積み重ねていくプランをイメージしていました。でも、連鎖してしまった。試合中に気持ちが折れてしまったなと、自分たちの弱さを感じたゲームでした。前日(※ラウンド16・「BUDDY・FC」戦はPKにもつれ込み、12人のサドンデスを制した)の戦いに見せた粘り強さが、この試合に出てくれたらよかったのですが…。マリノスさんはリスペクトすべきチームだと思いますが、選手たちがちょっとリスペクトしすぎというか、もっと自分たちらしくガンガン前から行ってほしかった。

 今年は何度もマリノスさんと戦いました。春の一番大事な試合では、こっちがPK戦で勝っていますし、相手も僕らに対する気持ちがあったと思います。お互いにいいライバルとしてやってきて、現実としてこういう結果になったので、まだまだ私たちはやらなきゃいけないことがあるという”サッカーの神様”のメッセージだと受け止めています」

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