【第40回全日本少年サッカー大会】「ミスを恐れてチャレンジしないことが大きな失敗」。完敗で大会を去ったヴァンフォーレ甲府に見る、次につなげるゲームの終わらせ方/決勝大会レポート
2016年12月30日
大会情報全国大会最後の試合でどう中学生年代につなげるか
西川監督が「攻撃的に前に仕掛けろ」と叫んだのは、この試合に勝ちたいからではなかった。そのわけは、次へつなげる試合にしなければならなかったからだ。つまり、ジュニアユース(中学生年代)へとつながる戦いにしなければならなかったからだ。それは、監督の言葉から読み取れる。
どんなに強いチームであっても、ジュニア年代の選手たちは精神的に脆い試合をすることが多々ある。成長過程にある子どもたちはサッカー以外の環境に影響を受けやすく、だからこそ育成年代では「心の教育が大事」なのだ。
特に、今大会は小学生年代最後となる全国大会で勝っても負けても貴重な経験になることは間違いない。思い出づくりではなく、中学生年代へのサッカーの高いモチベーションを作るいい機会だ。甲府は後半途中に選手交代をしたのだが、西川監督はピッチに入る選手に「思い出づくりじゃない。0-5の状況でも諦めないから」と言葉をかけている。
「サッカー選手にとって、ピッチに立つ意味はチームのため、勝つためだと思う。だから、交代する選手も戦術的な意図を持ってチームが勝つために出場させました。少し右サイドは機能していなかったし、交代でピッチに入った選手はチームの中で一番キックのうまい選手です。ボールを前に運ばなきゃいけない状況だったから、あのタイミングで選手交代をしました」
これは、私が西川監督に「試合の終わらせ方」について質問し、答えてくれたコメントだ。続けて、「今大会の結果を受け、ジュニアユースに向けて、まずどんなことに取り組みますか?」と聞いた答えの中で、最も印象に残った内容がある。
「もっとねぇ、ミスを恐れてチャレンジしないことが大きな失敗だということをもっと伝えてあげられたらよかったなと感じています。これからまだ彼らとピッチに立つ機会があるし、サッカーができるので、そういったところを前面に出してやっていきたいと思います。そして、次の年代を目指してやっていきます」
勝利でしか得られないものがある。一方、敗北でしか得られないものもある。勝負の世界でよくいわれる言葉だが、特にジュニア年代では「育成」に主眼を置いて試合や大会に挑むことが重要であるため、監督やコーチはどちらにおいても「選手たちに次につなげる意味をもたせる」ことが大切である。
ヴァンフォーレ甲府の西川監督が大敗後に語ってくれた言葉には、たくさんのキーワードが詰まっていた。あらためて、育成年代の指導では多くのことが必要であることを気づかせてくれた。
その他取材日記などは、第40回全日本少年サッカー大会 特設ページから
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