アトレティコ・マドリーはいかにして“二強時代”に終止符を打ったのか。巧妙な守備戦術の極意

2017年01月19日

サッカーエンタメ最前線

4-4-2の弱点を克服する守備の流動性

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そこでアトレティコはバルセロナのDアウベスに出たときにペナルティーエリア角のフィリペ・ルイスが前に出て対応する。ニアゾーンは空くが、そこへ走り込む相手はマンツーマンで対応する。

 こうした変則的な相手に対しては、アトレティコも変則的に対処する。左SBは「ニアゾーン」を塞ぐべくペナ角ポジションをキープ。そしてタッチライン際のDアウベスは放置し、SHは中央を固める(主にインサイドハーフのラキティッチをマーク)。これで中央の数的不利は発生しない。フリーにしているDアウベスへパスが渡る段階で、はじめて左SBがペナ角から発進してプレッシャーをかけにいく。

 そうなると、埋めていたニアゾーンが空いてしまうのだが、MFはマッチアップが出来上がっているので、走り込む相手にはマンマークでついて対処すればいい。FW(スアレス)の斜めのランについてもCBがつききる。ニアゾーンは空くけれども、そこへ入ってくる相手にはピッタリとついて使わせない。走り込んだ選手にパスが出なければ、その時点でマークしている選手がニアゾーンを埋めていることになる。

「間受け」と「ニアゾーン」という、4─4─2の弱点をかなりの程度克服しているアトレティコは、全体的にも守備のメリハリが効いていて一体感が明確に表れている。

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