アトレティコ・マドリーはいかにして“二強時代”に終止符を打ったのか。巧妙な守備戦術の極意

2017年01月19日

サッカーエンタメ最前線

アトレティコの3つの守備エリア

 守備エリアは敵陣、中盤、自陣の3つに分かれていて、それぞれ守り方が違う。

 敵陣での守備はFWの追い込みが特徴的だ。2トップの1人がボール、もう1人が中央のボランチを抑える。サイドを変えられても同じ。その他はマンマークでボールに近いところからパスの受け手を抑え、相手の逆サイドにいるSBをフリーにする。逆サイドのSBは最もボールから遠い後方の選手なので、ここは放置し、アトレティコの最終ラインで数的優位を確保する。

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1.2トップはボールを持っているCBとアンカーをマークする
2.MFはボールサイドへスライド
3.ボールと逆サイドの相手SBは放置する

 アトレティコの前線からのプレスは速く厳しいが、ここで止められないときに深追いはしない。例えばフリーにしているSBまでパスを回されてしまえば、基本的には後退して中盤エリアの守備へ移行する。

 中盤エリアでは、 ディフェンスラインをなるべく高く置き、FWはMFのライン近くまで後退する。この段階では相手のCBを放置。コンパクトな10人ブロックを形成して、その中へ入ってくるボールを狙う。

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ディフェンスラインを自陣の半分あたりに設置。FWも引いて10人がコンパクトになってブロックを形成する。相手のボールホルダーの状態に応じて、コースを切るかアタックするかを決める

 この中盤エリアでの守備では、ボールを持っている相手選手の状態によって全体の動き方が変わる。相手が前を向ける状態なら、パスコースを切って限定する守備に専念し、全体的に下がりながら自陣に引き込むような守り方をする(MFとDFの間を狭める)。

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