チーム全体の目標設定を“個”の育成にどう生かす?

2017年01月25日

メンタル/教育

目標をうまく活用するもの。個の成長を重視するのが理想

 たとえばチーム全体の目標が「10月の県大会予選で優勝して全国大会に出場しよう」ということであっても、それがコーチだけの目標になっていてはいけません。ましてや、コーチの地位や名声のために子どもを利用するようなことは絶対に控えなければなりません。子どもたちとのコミュニケーションの中で正しい目標設定をし、個の成長を重視しながら、結果としてチーム成績が伴えば理想的です。

 パズルで表現すると、選手一人ひとりはピースと言えます。8個のピースが小さければ、しっかりハマったとしても小さい絵しかできません。コーチとのコミュニケーションによって個々の目標をしっかりと設定することで、「ドリブルだけしかできなかった子がパスもできるようになった」や「チャレンジしかできなかった子がカバーリングもできるようになった」などと、子どもたちそれぞれが高まっていき、各ピースは大きくなります。

 また、本来とは違った形(特徴)のピースに変化することもあるでしょう。それぞれが成長し、形の変わったピースができ、改めてチームコンセプトと照らし合わせて8個のピースを調和させたとき、「元の絵とは全く異なる、大きくて立派な絵が完成する」、これが成長を軸とした個とチームの関係性だと思います。「10月の県大会予選で優勝して全国大会に出場しよう」という目標をうまく活用し、期限や目標を意識した中で、パズルのピースと完成図の再構築を行えば、大会を有意義なものにできるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、コーチは、子どもたちが成長するうえで、大きな役割を担っています。子どもとコミュニケーションをとりながら、個とチームの目標を達成できるよう、サポートしていきましょう。

■子どものやる気を引き出すいい指導者の3箇条

1.小さな成功体験を作り出す
2.正しい方法論で説明できる
3.子どもに安心感を与えられる


プロフィール

福富 信也
(ふくとみ・しんや)
1980年3月生まれ。株式会社Humanargy代表取締役。横浜F・マリノスコーチを経て、現在は東京電機大学理工学部専任講師。信州大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。レクレーション感覚で楽しみながらチームワークを習得できる「チームビルディングプログラム」の開発・指導にあたる。また、Jリーグ監督に必要なS級ライセンスでの講義や実技が好評で、現役Jリーグ監督たちからも絶大な信頼を集め、チーム指導のオファーを多数受ける。その他、企業研修や雑誌連載、オンラインセミナー、テレビ出演など多数。


 

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