師匠オシム超えを目指して――。気鋭の指揮官が語る監督という仕事

2017年02月06日

コラム

『戦術を説明する時点では、勝っているんです』

――逆転の発想は、生来のものですか。

「師匠(オシム)からして、人のマネはするな、という人でしたからね。ボクも小さい頃から、人と同じ視点で何かをするのは面白くないと考えるタイプでした。

 先日S級指導者の講習会に参加した時も、重鎮が集まる中で、この人たちがやっていないことをやらなくてはいけない、と考えていました。相手と真逆のことをやるというのは、良い言い方をすれば怖れていないということです」

――果敢なプレッシングは、昨年天皇杯で当時J1の首位に立っていた川崎に挑んだ試合に繋がってくるわけですね。今思えば、クラブワールドカップ決勝で、鹿島がレアル・マドリーに挑むような関係でしたが、本当に勝つつもりで準備をして来たと話していましたよね。

「これは本当に思っていることだから言うんですが、ボクの中ではいつも試合前のミーティングで、ホワイトボードを使って戦術を説明する時点では、勝っているんです。あとは選手たちがやるかどうかだけ。ボクからすれば、やらせられるかどうかです。川崎のように繋ぐチームほど、自分たちを信じ切ってプレーをしますからね」

――結局アウェイで先制して前半はリードしていたのですが、最終的には1-3で逆転負け。スタッフや選手たちの反応はどうだったんですか。

「ボクもどう感じたかな、と興味深かったのですが、みんなが口にしていたのが、あのレベルの相手と戦ってみて、自分たちの立ち位置が判ったということでした。それはまさしく鹿島の石井正忠監督も(レアル戦を経て)話していたことです。実際にあれからトレーニングの質も高まりました。

 あの試合は、秋田のプレッシングが最後まで持たなかったのが敗因だと言われています。でもボクの見方は少し違うんです。問題は、リードを奪った後の自分たちがボールを持った時のパフォーマンスでした。しっかりとボールを繋ぎ、強気に攻撃に出られなくなった。川崎が攻撃をする時間を短縮させられなかったのが、本当の敗因だと考えています」

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