日本人GKの生きる道。日本が誇る守護神・楢﨑正剛選手が語るGKの思考と戦術

2017年02月08日

インタビュー

日本サッカーがもっと強くなるために、世界で通用するGKの育成は必要不可欠。現在発売中の『フットボール批評issue15』からの新連載『日本人GKの生きる道』から、J1通算600試合出場を記録し、日本トップレベルの守護神としてゴールマウスを守り続ける楢﨑正剛選手の話を一部抜粋して紹介する。

(取材・文●田邊雅之 写真●Getty Images)

『フットボール批評issue15』より一部転載


CHOFU, TOKYO - APRIL 02:  (EDITORIAL USE ONLY) Seigo Narazaki of Nagoya Grampus in action during the J.League match between FC TOkyo and Nagoya Grampus at the Ajinomoto Stadium on April 2, 2016 in Chofu, Tokyo, Japan.  (Photo by Etsuo Hara/Getty Images)

最も重要なスキルはポジションニングと足運び

――日本人のGKは、ヨーロッパ系の指導者に学んだ選手、南米系の指導者に学んだ選手、そして日本人の指導者に学んだ選手に大きく分けられます。換言すると、日本のサッカー界ではGKの育成に関する指針が確立されてこなかったために、様々なノウハウが入り交じった状態が続いてきました。

 楢﨑選手は、一貫して日本で活動されてきましたし、学生時代は独学に近い形でノウハウを学ばれたとお聞きしています。
 
にもかかわらず、世界に通用するスキル、プレースタイルを身につけたというのは、極めて稀なケースだと思うんです。

「僕の場合、中学くらいまでは理詰めというよりは、自分の感覚だけで練習していた印象が強いんです。GKにとって一番ベースとなるポジショニングや足運びとかは、高校になってから少しずつ覚えていきました。

 キャッチングの仕方については、それほど細かなことは言われなかったですけど、足の運び方の大切さは、とにかくすごく言われましたね。すべてはそこに通じるというか」

――GKはキャッチングやパンチング、フィード、ブレイクアウェー(クリアー)など、様々なプレーをこなしますが、やはりポジショニングと足運びが、基本中の基本になってくると?

「ええ、そこはかなり大事だと思います。たしかに高校卒業後は、横浜フリューゲルスに加入して、プロのGKコーチの方々に多くのことを学ばせてもらいました。

 また今日に至るまでは、南米やヨーロッパのGKコーチにも出会いましたが、いちばん大切な要素を身につけていれば、違う国のコーチから指導を受けても、それほど戸惑うことはないんじゃないかと。国ごとにいろんな考え方があるにせよ、最も大切なところは共通していると思うんです」

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