想像よりも「何倍もシステム化されている」。模倣から入り独自性につなげるブラジルの選手育成法
2017年04月17日
コラム個人・チーム戦術の中でも守備のチャレンジが評価される
コリンチャンスでも、ラヌースと同じくグループ戦術練習が本格的にスタートするのは、15歳以上の世代からだ。グループ戦術の理解は、技術や体が成長した後でも遅くないという考え方で、まずは個々のプレーの質を高めることに注力する。
U-11、14世代のコーチであるイタロ・ラモス氏は、「子どもたちに戦術を伝える際に注意すべきことは、指導者が子どもたちの能力、状況を正確に把握することから始まる。今の戦術をきちんと身につけているのか、それとも理解に苦しんでいるのか。子どもたちが理解し、次のステップに進めるとわかってはじめて、新しい戦術・システム・ポジションに挑戦させるべき」と、指導者のスタンスの重要性を指摘する。
ブラジルのジュニア世代は、戦術を理解するまでの準備期間として捉えられ、フォーメーションやポジショニングといった個人戦術の指導が中心となる。しかし、ラヌースと大きく評価が分かれるポイントがある。それは、ディフェンスの際に「前を向かさない」という意識ではなく、「足を出してボールを奪いにいく」という姿勢。平安山氏は、その意図を以下のように分析する。
「ブラジルでは、幼少期からインテンシティ(※ここではプレー強度の意味)を重視します。日本や他の国では、一般的に守備の際の約束事として『前を向かせるな』と指導を受けると思います。しかし、コリンチャンスは、育成年代でのチャレンジを試みてのミスはOKで、将来につながるという考え方です。ときにはわざと相手に前を向かして、ボールを奪うといった駆け引きも使います。これは、より高いレベルではボール奪取力が勝敗を分けるということを理解し、この世代から習慣づけることでインテンシティの質を高めているからです」
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
U-22日本代表メンバー発表!【Mirabror Usmanov Memorial Cup 2025】2025.07.22
-
サッカー日本代表メンバー発表!【東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会】2025.07.04
-
U-16日本代表メンバー発表!【CFA PEACE CUP】2025.07.02
-
U-17日本女子代表、アメリカ遠征参加メンバー発表!2025.07.01
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- U-22日本代表メンバー発表!【Mirabror Usmanov Memorial Cup 2025】
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- “早熟タイプ”はプライドの高さに注意? “晩熟タイプ”には他人との比較はNG!? 個々にフォーカスした指導を心がけよう!!
- 人生最大の挫折――。本田圭佑がガンバユースに昇格できなかった本当の真相【後編】
- コンタクトプレーを嫌がる子ども?
- 2013年度 ナショナルトレセンU-14 後期の開催概要および参加メンバー発表
- 「軽い」と言われる選手は重心移動ができていない!? 守備力向上のヒントを探る
- なぜ“石川直宏”は人を惹きつけるのか。今季での引退を決意した“ミスター東京”の少年時代
- 「体を大きくする」「スタミナをつける」にはどうしたらいい? サッカーに生きる食事術を知る
- 守備のスペシャリスト対談! 日本人が「マンツーマン」ではなく「ゾーン」が合っている理由