効果的な練習メニューの考え方。トレーニングを構築するために必要な9つの要素とは【サッカービギナーコーチ養成講座】
2017年05月25日
サッカー練習メニュー試合を分析して導き出された課題をトレーニングで修正していくことは指導者として重要なことです。そのためにもトレーニングを構成する要素を把握し理論を知っておけばチーム事情に合わせたメニューを考えやすくなります。今回はトレーニングメニューを考える上で必要な要素を学んでいきます。
監修●平野淳(ファンルーツ) 再構成、写真●ジュニサカ編集部
『ジュニアサッカーバイブル5 小・中学生のサッカーチームをつくろう!基礎からわかる!コーチ養成講座』より一部転載
フォーカスしたいシチュエーションを引き出す

トレーニングを行うにあたって重視してほしいのが、フォーカスしたいシチュエーション(現象)をどのように引き出すかです。トレーニングを構築する上での目安となる項目を挙げていきますが、試合で分析した結果を受けて、具体的な状況を提示できるのが理想的です。
トレーニングを行う前に、「このトレーニングはこういう状況で、目的はこうだよ」と選手たちに具体的に伝えると選手たちがイメージしやすくなるでしょう。もしくは、「今日のトレーニングの目的をみんなで考えてみよう。トレーニングの最後にみんなに聞いてみようかな」などと、あえて説明をせずに、選手自身に気づかせる方法もあります。最終的に、試合中にコーチが言わなくても子どもたち自身で判断できるよう、コーチと選手がイメージを共有できていることが理想的でしょう。
1. フィールド
これはもっともベースになる要素ですが、多くの指導者が意外とおろそかにしてしまうポイントです。「ピッチの全体像を描いてトレーニングを計画する」ということは、ピッチのあらゆる場所、タッチライン、センターサークル、ペナルティエリア、ゴールラインなど、 すべてのサイズを把握していなければなりません。
実際にメニューを作るとき、例えばサイドからの突破を強化したいという目的があるとします。その場合は、ピッチ全体でどういった状況かを考えながら、P39の図のように練習でのグリッドサイズを切り取ります。サイドからの縦と中央に向けての突破を考えて、2 辺突破ができるような練習メニューを作るのです。
単純なボール回しだとしても、「自陣のペナルティエリア内」という設定を考えて、ピッチを切り取れば、選手たちもイメージを持ちやすくなります。ピッチのどこの場所でのトレーニングなのかを選手たちが理解することで、より効果的なトレーニングになっていきます。
フルピッチを贅沢に使えるチームは、実際にそのエリアを使ってグリッドを作ればいいのですが、 ほとんどのクラブがそのような環境下にはありません。タクティクスボード(戦術盤)などを有効に活用し、選手たちがトレーニングの意図を把握できるようにしていきましょう。
2. 人数
少人数でも大人数でも、「ドリルワーク」や「ゲーム」がスムーズに行えるように、効率のよさを考えるべきです。人数が増えたことで効率が悪くなったとしたら、それはトレーニングのクオリティが落ちている証でもあります。トレーニングに参加している人数に合わせた工夫をして、選手たちができるだけ多くボールに触れる機会を作りましょう。
また、トレーニングがより、効果的になるような人数設定をする必要があります。攻撃側、守備側の人数設定によって、数的優位の状況、あるいは数的不利の状況を意図的に生み出すことができます。例えば、ボール回しのトレーニングをする場合、3対3ではなかなかボールは回りません。守備側の人数を減らして、3対2の状況にすれば、ボールが回りやすくなります。ポゼッションを改善したい目的が強いのであれば、3対1の状況にすることも有効でしょう。
3. ボール
ボールの種類と数を決めます。小学生の場合は主に4号球、中学生の場合は5号球を使用します。ですが、あえて小学生に5号球を使わせたり、小さい3号級を使わせたりして、トレーニングにアクセントを加えてみるのもいいでしょう。さらにコントロールに慣れていないリフティングボールやテニスボールを使うことで、より慎重にボールを扱う環境を作り、難易度を上げてみるという方法もあります。
ボールの数に関しては、小学校低学年ですと、ゲームをしてもいわゆる「団子サッカー」になってしまうケースが多いので、できるだけ1人1個ボールを与えるようにしています。1人あたりのプレーの機会を増やす工夫が必要です。
また、小学校高学年や中学生でもボールの数を増やしたトレーニングを行うことで、頻繁に周囲を確認しなければならない状況を作り出せます。顔を上げ、判断を早くするという習慣を身につけるのに効果的でしょう。
4.ゴール
サッカーの目的は「ゴールを奪い、ゴールを守ること」です。私は海外でさまざまなクラブの練習を見てきましたが、海外では多くのトレーニングが「ゴール」を意識したものになっていました。日本人の決定力が低いといわれているのは、ゴールを目指すシーンが少なく、攻撃の方向性のないトレーニングが多いからかもしれません。そういったこともあり、私としては、できるだけトレーニング内でゴールを使うようにしています。
ゴールを使うということは、主にシュートを目的とした練習となります。ゴールの使い方も工夫次第でいろいろと発展できます。例えば正規のゴールの中央にミニゴールを置き、ゴールを二重にしてみます。ミニゴールに入れないようにシュート練習をすれば、自然とシュートコースを狙う意識が生まれますし、シュートを打つ 前にゴールを見る習慣も身につきます。
ゴールがない場合でも、ラインそのものをゴールにしてライン突破で1点にする、マーカーやコーンで小さいグリッドを作ってそのゾーンをゴールにするなど、ゴールの形もさまざまな変化をつけることができます。
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