効果的な練習メニューの考え方。トレーニングを構築するために必要な9つの要素とは【サッカービギナーコーチ養成講座】

2017年05月25日

サッカー練習メニュー


5.スピード


 トレーニングで指定されたグリッドが大きければ、選手間の距離があるので、速いパスでないとパスが通りにくくなります。基本的にはパススピードは速くなるでしょう。反対にグリッドが小さければ、パススピードは遅くなります。また判断に関しても同様で、グリッドが大きく、人数が少なければ、判断スピードは遅くてもプレーできます。逆にグリッドが小さく、人数が多ければ、判断スピードは速くなくてはなりません。このようにオーガナイズによってスピードは異なってきます。  

 そして、もう1つはプレースピードがあります。同じ練習でもボールを持ってい る時間に制限を設けたり、コーチの合図でスピードアップ・スピードダウンを繰り返して緩急をつけたりするなど、意識的にスピードを変化させることもできます


6.ルール


 単純なボール回しでも、パスワークをより意識させたいという場合、「2タッチ以内」などとタッチ数を制限するルールを加えることで、トレーニングの目的は明確になります。タッチ数だけを考えても「2タッチ以内」「絶対2タッチ」「1タッチ」「3タッチ以内」「1タッチと2タッチを交互」など無限にルール設定を考えることができるでしょう。ゲームであれば、「シュートはヘディングのみ」「シュートはワンタッチのみ」「トラップは左足だけ」「前方へのパスは禁止」など、 ルールによって、 トレー ニング効果は異なってきますし、選手が常に考えながらプレーする習慣を身につけるようになります。  

 また、サッカーで必要な攻守の切り替えの要素もルールによって入れることもできます。例えば、正方形のグリッド内で5対2のボール回しを行います。「守備側はボールを奪ったら指定されたマーカー間をドリブル突破する」というルールを設けたとします。そうすると、攻撃側の5人はボールを失ったら、すぐに守備へ切り替えなくてはなりません。反対に守備側の2人は攻撃への切り替えを余儀なくされるでしょう。サッカーにおいて攻撃から守備、守備から攻撃の切り替えはとても重要 な要素なので、このようなエッセンスを加えることで、よりリアリティのあるトレー ニングとなるのではないでしょうか。


7.競争の要素


 小学校低学年だけではなく、どのカテゴリーにおいても、選手たちのモチベーションを高める要因は、競争形式であることです。例えば、ミニゲームにおいても「パスを10本回したら1ポイント獲得」などと、ゴールを奪う以外にもポイントを取れる方法を考えます。そうすると自然とポゼッションへの意識とゴールへの意識が高まってきます。また、2ポイント先制されたら、 「腕立て伏せ5回」「でんぐり返し5 回」といったようにちょっとしたペナルティを設定するなど、常に高いモチベーションを保てるように刺激を与えるとよいでしょう。


8.時間


 
 特に小学校低学年ですと、集中力が持続しづらいものです。選手の表情や雰囲気を常に気にかけ、短時間でメニューを切り替えることも1つの方法です。どうしても時間をかけたいのというであれば、途中にコーディネーショントレーニングなどを行って、トレーニングに緩急をつけても効果的です。  

 また、「運動量が多すぎる」あるいは「運動量が少ない」という点で、目的に応じた時間コントロールも必要になってきます。


9.配給


 1対1のトレーニングにおいて、オフェンス側がボールを持っている状況からスタートして、ドリブル練習をはじめる形がよく見られますが、試合中にそのようなケースは少ないでしょう。  

 配球の仕方によって、「ボールキープの1対1」なのか、「突破の1対1」なのか、あるいはディフェンス側の「ディレイの1対1」なのかなど、変化を持たせることができます。  

 例えばディフェンスを背負った状態にして配球すれば、おのずとくさびのパスからの動きになります。または、攻撃の選手に突破のイメージを与えたければ、スペースへ向けてファーストタッチができるような配球をすると、目的が明確になります。あえて高いバウンドで配球をして浮き球の処理を意識させたり、スピードの速い ボールからトレーニングをはじめたりするなど、同じ練習でも配球によってレベルをコントロールすることができます。難度を下げるため、下図のようにボールを対 面でもらってからターンする形ではなく、斜めから配球をしてあげて前を向きやすい状況を作るなどの方法もあります。

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