「指導方針に変わりはない」。欧州と南米、少年サッカーの育成における一番の違いとは

2017年09月28日

コラム

ジュニアサッカーの現場にはさまざまな疑問や悩みがつきもの。指導者から子ども、そして保護者の方々が抱くものを、ファンルーツの指導者たちがアドバイスします。今回は、欧州と南米の育成の違いについて1つの疑問を解決します。

(再構成・写真●ジュニサカ編集部)

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.33』より転載


Q

ヨーロッパと南米でもジュニア年代で違いはありますか?


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南米と欧州の一番の違いは環境面

 育成年代の指導は、欧州各国で取り組み方は異なりますが、すべてに共通しているのは、サッカーの原点や本質である「ゴールへの意識」を根づかせていることです。私は、イングランド、オランダ、スペイン、ドイツに渡り、ライセンスコースを学んだ経験がありますが、どこの国でも「ゴールへの意識を一番大切にしろ!」と言っていました。サッカーを始めたばかりの小さな子どもたちに対しても覚えさせるのはシュートです。たとえ雑でも不恰好でもいいから、まずはゴールを目指すように意識をさせます。やがてゴールを奪えるようになっても、学年があがるにつれてサッカーのスタイルが複雑になっていくと、シュートを打つこともゴールを奪うことも難しくなってきますから、その段階になって、今度は それを解決するための手段を取り入れた練習をするようになるのです。
 
 だからコーチは最初に攻撃のことしか言いません。相手に攻められ、ゴールを奪われたら「シュートを打たれないためにはどうしたらいいのか?」と考えさせて、厳しいプレッシャーをするとか、どのように守備をしたらいいのかと順を追って指導していきます。つまり、まずはゴールを狙うというのがあって、そこから守ることを教えていく過程があるのです。
 
 南米にしても、メキシコのチーバス(クルブ・デポルティーボ・グアダラハラ)は育成組織の充実したクラブですが、オランダのアヤックスと提携していたこともあり、アヤックスのメソッドを吸収して、それをベースに自分たちのオリジナルスタイルに昇華させていますから、指導方針は欧州のクラブと変わりはないようです。
 
 南米と欧州での一番の違いを挙げるとするならば環境面ではないでしょうか。イングランドではトッテナムやマンチェスターの選手になると、監督やコーチからトレーナーまで、トッププロと同じ一流レベルのサポートが受けることのできる体制ができています。しかし、南米では恵まれた環境が整っていないことも多く、その困難な状況を生き抜いていくためのメンタリティの強さも必要になり、子どものうちからハングリーさが培われていくようです。

<関連リンク>
日本と世界の少年サッカーの違い。日本の子どもは「コーチに従うだけ」「サッカーに時間を費やしすぎ」

 

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