派手な”ブラジル”と派手さがない”アルゼンチン”。南米各国によって「ドリブルスタイル」が違う訳

2017年12月11日

コラム

戦術理解や判断できる賢い選手が必要とされる時代

 チリ代表にも優れたドリブラーはいます。ブラジルのパルメイラスでも活躍していたバルディビア。彼は、すごいドリブラーです。ブラジルでも人気があった選手です。 それから、スペインのビジャレアルで活躍したフェルナンデス。そしてイングランドでも有名なサンチェスです。彼も技術のあるドリブラーです。戦術理解もあるドリブラーが出現し、世界中でチリ人選手の活躍が目立つようになりました。

 最後にコロンビアについても語っておきましょう。意外と思われるかもしれませんが、コロンビアは南米でも技術があると認められている国です。よく南米では冗談で「コロンビア人はうまいんだけれど、キーパーを交わしてもシュートを打たないから、あいつらは勝てないんだよ」と言われるぐらいです。コロンビアといえば、歩きながらサッカーをするようなバルデラマが有名です。あの時代は、ともに3大会連続でワールドカップ出場を果たしたリンコンらドリブルがうまいというよりはスピードとパワーのある選手がいました。一方で、サイドバックからドリブルを仕掛けたり、ゴールキーパーのイギータでさえドリブルをしたりしていたのです。

 しかし、98 年のワールドカップ・フランス大会後は14年のブラジル大会に出場するまで低迷が続きます。アルゼンチン人のペケルマンが監督に就任してからは、守備を固くして組織的なサッカーをするようになりました。勝つためにスタイルも変わってドリブラーも少なくなりましたが、今でも、ユベントスのクアドラードのようにヨーロッパで活躍するドリブラーを輩出し続けています。

 先ほど述べたように戦術理解もあるドリブラーが世界で活躍しています。今は持っているテクニックをいつ使うのかが判断できる賢い選手が必要とされる時代です。南米のサッカーも様々なスタイルがあり、その国のスタイルによって特徴のあるドリブラーが育っています。

 サッカーでは個人の好き嫌いやこだわりが大事だと僕は思っています。僕はやっぱりアルゼンチンのスタイルが好きですから日本の子どもたちにも、アルゼンチンのような闘争心に溢れたサッカースタイルを身につけてもらえたら嬉しいです。
 
 日本の子どもは技術があるので、相手との距離を考えたり、緩急をつけたり、狭いところでも入っていけるようなアルゼンチンのドリブルの要素を取り入れることで、より優れたドリブラーに育っていくのではないかと思います。

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プロフィール
亘 崇詞(わたり・たかし)
1972年、岡山県出身。高校卒業後に単身アルゼンチンへ渡り、ボ カ・ジュニアーズとプ ロ英訳。アメリカやペ ルー、JFLでもプレー。東京ヴェルディやエ ルフェン狭山、中国の広東省体彩の指導を経て、現在は岡山湯郷 Belleの監督兼ゼネラルマネージャー。亘崇詞さん監修の『サッカーアルゼンチン流 個人スキルバイブル』も好評発売中。


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●南米サッカーをドリブルで斬る!力関係から各国のあの手この手が見えてくる
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・RIP ACE SOCCER CLUB(大阪府)
・ファナティコス(群馬県)


 

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