ボランチは「チームの中心に位置するポジション」。バルサに見るボランチの守備コンセプト
2018年01月19日
コラムバルサにおけるボランチの守備のコンセプトと認知の関係
アルベルト・ペレス氏が「ボランチの守備」を話し始めた冒頭に話した言葉が印象的だった。
「今回、守備については映像があまりなかった。それは日本チームがバルサに対して攻める時間が短く、分析の対象としてボランチが守備をしている場面を切り出すのが難しかった」
この内容は、そのまま世界との差とも言える。ここ数年は「守備力の低さ」が日本サッカーを騒がせ、最近では「だから、トレーニングの中で質の高い攻撃も身につけられないんだ」と語る指導者も増えたが、同氏はそのポイントに攻撃と同様「認知力」を取り上げた。
「守備時も一つの方向だけを見ていると、いい守備はできない。だから、広範囲を見られる体の向きを作る必要がある。それができるから『自分がプレッシャーをかけに行くのか』『カバーをするのか』が判断できる」
続けて、守備のコンセプトを語り始めた。
「守備時に意識することは、トライアングルだ。例えば、バルサのボランチは状況にもよるが、自分が真っ先にプレッシャーに行くことはそう多くない。第二DFにまわる。だから、バルサのボランチはボール保持者と自分の守備ゾーンにいる(入ってくる)マークすべき選手と自分との関係の中で、うまく三角形を作ることが大事だ。そうすることで、彼らを同一視野で見ることができる。これが崩れると、首を振って確認する作業がいちいち発生するからミスが増える」
基本的にバルサは、チームとしてゾーンディフェンスを行っている。マンツーマンディフェンスを取っていないため、どのポジションの選手たちは「トライアングル」を意識して同一視野を確保するような体の向きが作れなければならない。それができれば、自分の守備ゾーンのマークすべき選手にボールが入った瞬間に「プレッシャーをかけるべきか」「パスを出した選手の侵入に対するスペースを埋めるべきか」の判断ができる。
バルサの選手たちはこの守備コンセプトに基づいて常に守備をしているため、相手チームにボールを保持されていたとしても焦ることはない。なぜなら相手のボール回しに対してリアクションをとる形になっていないからだ。リアクションということは、後手に回ることを意味している。ということは、ボールを安易に進められる優位な状況を作られていることでもある。
この部分は、日本の多くのサッカー関係者が口にはしているが、ここまで深い考えは持っていない。認知力、トライアングル、守備における個の判断…やはり基本的な要素はすべてにつながっていることを再認識させられた。
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