湘南ベルマーレ・曺貴裁監督が指導者として貫く信念。「同じ練習メニューは組まない」
2018年02月06日
コラム
トレーニングに必要な要素は3つしかない
監督を務めて7年目になるベルマーレでは、そのシーズンのなかで同じ練習メニューを組まないことを心がけてきた。
理由は単純明快だ。選手たちがほんのわずかでも「またこのトレーニングをやるのか」と思った時点で、彼らのなかには何も入っていかないからだ。そのメニューを最初に取り組んだときに覚えたテンションの高さを、再び繰り返してほしいと望んでもどうしても無理がある。
ならば、どのような観点で日々のメニューを組んでいるのか。僕のなかでは、トレーニングに必要な要素は3つしかない。まずは練習を楽しめるか。次にトレーニング自体に動きがあるか。そして、練習を積み重ねていくなかで選手個々が段々と上手くなるか。
日本サッカー協会が認定する指導者ライセンスを順次取得しながら、さまざまな項目を学んできた。それらのなかでも、この3つは特に大事なものとして僕のなかで位置づけられるようになった。
どれかひとつでも欠けてはいけない。楽しくないけど、一応動いていて結果として上手くなるのはダメ。毎日すごく楽しいけど、上手くなった実感がないのもダメ。上手くなっている感じがするけど、まったく汗をかかないトレーニングも僕のなかではNGとなる。
ゆえにただ単に8対8を課すとか、ただ単にシュート練習を課すことはあまりない。同じ8対8にしても、たとえばタッチ数を2回に限定するとか、浮き球だけでパスをつながせるとか、利き足と逆の足だけを使うとか、楽しませるための方法は数限りなくある。
コーチが笛を吹いた瞬間に、攻める方向がそれまでと逆になるのもいい。あるいは、ボールを呼び込むときに声を出してはいけないルールを設けるのもいい。幸いにも平塚市には近くにビーチがあるから、こうしたメニューを砂浜のうえで課すことも選手たちにとっては刺激になる。
もちろん、ただ楽しむだけでは意味をなさない。最終的には上手くなるためにある動きを確保させて、そのうえで楽しませるためにルールを作る。ボールを蹴ることは本当に楽しいけれども、ルールとレフェリーがいなければ収集がつかない。そうした原理原則にのっとって、日々の練習も行われなければいけない。
【商品名】『育成主義』
【発行】株式会社カンゼン
【著者】曺貴裁
【判型】四六判/256ページ
【発売】2018年2月20日
2017シーズン、J2優勝! 選手育成によって湘南ベルマーレを強靭なチームに作り上げた名将・曺監督による指導論とは。
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
東北トレセン女子U-14が開催!2025.10.24
-
東北トレセンU-14が開催!2025.10.23
-
【JFAエリートプログラムU-14日韓交流戦】参加メンバー発表!2025.10.22
-
U-15日本代表、フランス遠征参加メンバー発表!【バル・ド・マルヌトーナメント2025】2025.10.21
フットボール最新ニュース
-
鈴木唯人が貴重な先制点でチームを勝利に導く【23日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
日本人対決でリバプールが5Gで圧勝【22日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
バルセロナが6発大勝。エースもゴール【21日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
日本人選手所属ザルツブルクは後半AT弾で敗戦【25日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
ベティス、マンUから完全移籍の7番が劇的同点弾【24日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 【JFAエリートプログラムU-14日韓交流戦】参加メンバー発表!
- U-15日本代表、フランス遠征参加メンバー発表!【バル・ド・マルヌトーナメント2025】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 東北トレセンU-14が開催!
- 成長期におとずれる「クラムジー」に対して保護者と指導者は何をすべきか?
- 【第39回全日本少年サッカー大会】長崎県大会 決勝フォトレポート&大会結果「V・ファーレン長崎が創設5年目で初の全国大会出場を果たす!!」
- ドリブラーを育てる聖和学園の指導術。「選手のアイデアを引き出すことを常に考えている」
- 「目指すサッカー」がない指導者が明確な言葉を子どもに伝えられると思いますか?【10月・11月特集】
- なかなか結果が出ないうちのチーム
- マンガで学ぶ!! 香川真司選手のポジショニング術―空間把握能力で差をつけよう―















