サッカーの原則に基づいて”判断力”と”技術”を鍛える。「止める・蹴る」に対するGKの向き合い方

2018年06月10日

育成を考える

ゴールキーパーは、フィールドにいる選手の中で、唯一、手でボールを扱える最も特殊なポジションです。そのゴールキーパー専門のアカデミーで指導する武田幸生氏に、「止める・蹴る」について、ゴールキーパーという立場から話を聞きました。

取材・文●後藤勝 写真●佐藤博之、Getty Images

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.49』より一部転載


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GKに求められる「止める」「蹴る」

 1992年のルール改正でゴールキーパー(以下GK)がバックパスを手で扱えなくなって以降、サッカーの在り方が大きく変わってきている。 ボールをほとんど手で扱っていたGKは、現代ではボールを足で扱うことが増え、シュートストップやクロス対応など、手を使う機会は限られたものとなった。フィールドプレーヤー(以下 FP)との差異が少なくなり、戦術的にはGKの正確なロングフィードをトップに当てることから始まる速攻、GKが最後尾のスイーパーと化してビルドアップの開始点となるなど、攻撃に組み込まれることが当然となった。
 
 このような変化に対応し、現代のGKはいかに「止める」「蹴る」をマスターすべきなのか。実際にスクールで小学生年代のGKに「止める」「蹴る」を指導している、東京・神奈川でGK専門のサッカースクールを展開するTKDGKアカデミースクールマスターの武田幸生さんに訊いた。

「以前に比べると小学生年代でもGK専門の指導を受けられる環境が整いつつはあるのですが、GKというポジションにおける『止める』『蹴る』を教わっているケースはそれほど多くはないというのが実情です。私たちの場合はGKに対し、サッカーそのものの基礎とGK専門のメニューを、年間を通してバランスよく配分するように心がけています」
 
 GKに求められる「止める」「蹴る」 はFPに求められるそれと大きく変わらない、と武田さん。ただしシュートを打つ機会はめったに訪れない。自ずと「ボールを受ける」「パスをする」に重きを置くことになるという。しかし小学生年代のGKは味方からのパスを受けたところでカットされたり、まともにパスができず大きく蹴ってしまうだけに終わったり、そもそも最低限の「止める」「蹴る」ができていなかったりと、攻撃が不得手な選手が目立つ。ゴールを守ることばかりを求められ、サッカーというゲームのなかでいち選手がどう機能するかという原則を学んでいないことが原因だ。

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