人生最大の挫折――。本田圭佑がガンバユースに昇格できなかった本当の真相【後編】
2018年06月16日
読んで学ぶ/観て学ぶ「(本田は練習に)注文をつけてくることもあった」
ガンバのトレーニングはボール回しからスタートする。鴨川コーチも選手たちに交じって参戦し、いつの間にか熱くなってどんどん時間が長くなる。マーカーを10数個並べたドリブル練習などスキルを磨く内容も多く盛り込まれていた。選手たちの競争意識を煽りながらテクニックや個人戦術を引き上げようというガンバ流のトレーニングを通して、本田の技術レベルは格段に向上した。
「圭佑が南アフリカワールドカップのデンマーク戦(ルステンブルク)で岡崎(慎司=現レスターシティ)の3点目をアシストしたシーンがありましたよね。ギリギリまで相手を引き寄せてから裏に出したあのプレーは、ガンバで身につけたもの。当時、アカデミーを統括していた上野山信行さんがギリギリのところで判断を変えさせる力を養おうと意識的に取り組んだことが、圭佑にもプラスに働いたと思います。あいつは相手に当たられる瞬間がわかっているから、上手に持てるし、ヘンな踏ん張り方をしない。削られそうになったときの危機察知能力は本当にすごいですよ」(田中監督)
本田の努力はガンバの全体練習にとどまらなかった。夜遅く家に帰った後、さらに自主トレーニングをしていたのだ。
「あるとき、急な連絡事項があって、練習から帰った頃を見計らって家に電話をかけたんです。万博を出たのが夜8時頃だったので、9時には着いているだろうと。お父さんは出張で不在で、代わりにおばあちゃんが出たんですけど、『圭佑は今、公園にボール蹴りに行っているわ』と言うじゃないですか。『1回家に帰ってから行ったんですか?』と聞き直すと『毎日、行っとりますわ』と。あいつがどれだけサッカーが好きか、アキや松岡たち仲間に負けたくないかが強く伝わってきましたね。
自主練習をやっていたことからもわかる通り、圭佑は何でも自分で考えて行動に移せる子でした。練習の指示が聞こえなければ『もう1回、言ってください』とハッキリ主張するし、走りの練習をさせると『走ることも大事だと思いますけど、ちゃんとボールを蹴る練習をさせてほしい』と注文をつけてくることもあった。そこまでの向上心は他の選手には感じられなかったです」(鴨川コーチ)
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!2025.09.17
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
-
フットサル日本代表メンバー発表!【AFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選】2025.09.05
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- 【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!
- “いい選手”は「2つのラインの交点に立つ」。ポジショニングに必要な「ボールなしペアリング」とは?
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- 縦割りの練習、危なくない?
- 「僕、みやぎへ行く」。日本代表の”10番”香川真司、サッカー人生を変えた決断までの道
- 【第39回全日本少年サッカー大会】富山県大会 決勝フォトレポート&結果「大激戦を制して小杉サッカークラブが32年ぶり2度目栄冠」
- 実戦に近い練習メニューを組み立てるうえで抑えておきたいポイントとは?【サッカービギナーコーチ養成講座】
- ドリブラーを育てる聖和学園の指導術。「選手のアイデアを引き出すことを常に考えている」