「小さくてプロは無理」を覆したメルテンス。マラドーナ、メッシにも共通する小柄な選手のアドバンテージ
2018年06月27日
サッカーエンタメ最前線
“偽9番”システムで存在感を発揮
オランダの2部リーグで大活躍したメルテンスは強豪クラブのユトレヒトへ移籍し、さらに3強の一角であるPSVアイントホーフェンへ、2013年にはイタリアの名門ナポリへ移籍した。
ラファエル・ベニテス監督の補強第一号としてナポリ入りしたメルテンスだったが、先発メンバーの座をつかめずにいた。ゴンサロ・イグアイン、ホセ・マリア・カジェホン、ラウル・アルビオルといった有望選手が続々と加入していた。素早いカットインからのシュートが十八番のメルテンスにとって、クラブ生え抜きのロレンツオ・インシーニェの存在が壁になっている。
しかし、全く出場機会がなかったわけではなく、むしろ残り20分のスーパーサブとしての地位は確立していた。相手の足が止まり始める時間帯で登場し、キレ味抜群のドリブルで引っかき回し、決定的なプレーで得点に絡む仕事で評価を上げていた。レギュラーポジションを確保したのは2016-17シーズンにイグアインがユベントスへ移籍したのがきっかけになっている。
エースストライカーの移籍と控えFWの相次ぐ負傷によって、主にウイングとして活躍していたメルテンスがCFに起用された。マウリツィオ・サッリ監督は以前からメルテンスの偽9番のアイデアを持っていたそうだが、実行に移すまでに1年近くかけている。満を持しての偽9番システムは驚くべき効果を示した。
サッリ監督が導入したパスワークのサッカーは正確なボールコントロールが不可欠だ。正確に止める、蹴る技術がないと到底成立しない。例えば、普通のチームのサッカーがセンチメートル単位とするなら、ナポリはミリメートルである。単位が違う。だから普通のチームなら味方がマークされているので諦めるパスでも平気で通す。狭い地域もコンビネーションやドリブルで抜けられる。
その緻密なプレースタイルの中で、メルテンスの技術と俊敏性が遺憾なく発揮された。トップのポジションから少し下りてパスを受け、さばいてもう一度裏へ抜ける。ドリブルで突破し、左右へ散らし、スルーパスを出し、シュートを打つ……。いわばナノレベルのプレーが要求される狭い地域だからこそ、メルテンスのサイズの小ささが武器になった。
カテゴリ別新着記事
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【第56回全国中学校サッカー大会】
- FCポルタ、デサフィオC.F、武生FCブルーキッズらがラウンド16進出!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- トリアネーロ町田、マルバ千葉、TSAフットサルスクール、リオンJr.が準決勝進出!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- マルバ千葉fcとFCトリアネーロ町田が決勝の舞台で激突【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- マルバ千葉fcがFCトリアネーロ町田を下し優勝を飾る!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- FCトリアネーロ町田、京都長岡京SS、ともぞうSCらが2連勝スタート!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- マルバ千葉fc、リオンジュニア、TSAフットサルスクールらが準々決勝に駒を進める【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2025」
- 判断は“頭”でするものではなく“感情”でするもの。元フットサル日本代表監督の言葉から紡ぐ「すべてを出し切る指導」の真意