「止める・蹴る」が秀でれば、それは大きな武器になる。デ・ブルイネが示す基礎の重要性
2018年06月30日
サッカーエンタメ最前線日本代表はロシアW杯のラウンド16でベルギー代表と対戦します。そのベルギー代表で攻撃の中心を担うのが、ケヴィン・デ・ブルイネ。昨シーズン、所属するマンチェスター・シティでもリーグ戦で16アシストを記録し、プレミアリーグ制覇に大きく貢献しました。シーズンを通して最も印象的だった試合が第7節のチェルシー戦。「止める・蹴る」が秀でていれば大きな武器になる。そんなことをデ・ブルイネが教えてくれる試合でした。
著●西部謙司 写真●GettyImages
『PERFECT SKILL パーフェクトスキル 世界トッププレーヤーの究極スキルを解説する』より一部転載
シティに必要だったラインをスキップするパス
チェルシーとマンチェスター・シティの対戦(2017年)は、およそ型どおりに推移した。ただ、どちらも想定内ではあるが思いどおりではない。チェルシーにはボールを奪う力がある。シティに攻め込まれるのは想定内、そこからカンテ、バカヨコらのボール奪取力を使って攻守をひっくり返して速攻へ持ち込みたい。
ところが速攻のほうは不発だった。一方、シティもボールは支配できていたものの、なかなかフィニッシュまで結びつけられない。チェルシーのカウンターは封じていたが自分たちも決め手を欠いていた。どちらのゲームとも言えないが、どちらも自分たちの試合にはなっていた。
先に動いたのはチェルシーのコンテ監督だった。 34分にモラタが負傷し、ウィリアンに交代。後半から中盤中央の配置を少しだけ変更している。前半はバカヨコが中央、右にカンテ、左にセスクだったのを、バカヨコとセスクの位置を入れ替えた。シティのビルドアップに対して、セスクを頂点とした三角形ならシティのトライアングルにピタリと合わせられる。ただ、それで劇的に何かが変わったわけではない。
前半にボールを支配しながら崩しきれなかったのは、攻撃がわかりやすかったからだ。ほとんどのプレーがチェルシー守備陣の監視下に置かれていた。シティに必要だったのはラインをスキップするパスだ。
1つ前ではなく、もう1つ前へのパス。1人をとばすことで、そのとばされた選手が次の瞬間に相手の監視から逃れることができる。前半のシティはそれがないためにパスの先々はすべてマークされ読まれていて、個人技による突破しか選択肢がなくなっていた。
48分、シティは左サイドからラインをスキップさせたパスワークでゴールへ迫る。左サイドでボールをキープしたデルフの前方にはスターリングがいた。しかし、デルフはスターリングにはパスせず、右斜め前へ走り込んできたシルバへボールをつける。
チェルシーの監視と予測の下にあるデルフ→スターリングではなく、スターリングより前方のシルバへのパス。これでスターリングがチェルシーDFの視野から一瞬外れる。
ペナルティーエリアの左角あたりでパスを受けたシルバがさらに前方へボールを流すと、そこにはデルフとシルバの中間にいたはずのスターリング、すでにポストの手前まで来ていた。スターリングのラストパスは防がれてCKになったが、シティが打開の鍵を手にしたことが明らかになったシーンだった。
【ロシアW杯でも活躍しているデ・ブルイネ。日本の脅威になることは間違いない】
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