「銀色の輝きを放つ」クロアチア代表・ラキティッチ。主役級の実力を持つ選手が見せる“変幻自在”のプレースタイル
2018年07月12日
サッカーエンタメ最前線ロシアW杯準決勝でクロアチアは延長戦の末にイングランドを2-1で下し、初の決勝進出を決めました。クロアチア躍進の原動力となっているのが中盤に君臨するふたりの“天才”ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)とイヴァン・ラキティッチ(バルセロナ)です。モドリッチは攻守にわたり存在感を発揮し「金色の輝きを放つ」選手。まさにチームの大黒柱と言えるでしょう。一方ラキティッチは“天才”でありながらモドリッチより目立った活躍を見せることはありません。しかし、そのプレースタイルこそラキティッチの真骨頂であり、クロアチア躍進の原動力でもあるのです。『PERFECT SKILL パーフェクトスキル 世界トッププレーヤーの究極スキルを解説する』から紹介します。
著●西部謙司 写真●GettyImages
『PERFECT SKILL パーフェクトスキル 世界トッププレーヤーの究極スキルを解説する』より一部転載
ラキティッチのプレースタイル
生まれも育ちもスイス、U-17にはじまってU-21まではスイス代表だった。クロアチア紛争が起きる前に両親がスイスに移住していたからだ。父親と兄がサッカー選手という家庭でイヴァン・ラキティッチがプロ選手への道を歩んだのは自然の成り行きだった。
7歳でバーゼルの下部組織に入り、2005年にトップチームに昇格。16歳のころにはヨーロッパでは知られた存在になっていた。2007年にドイツのシャルケ04へ移籍し、4シーズンを過ごした後にスペインのセビージャへ。3シーズンで117試合に出場して 27得点、13-14 はEL優勝に貢献した。このシーズンはキャプテンも務め、チームの中心として活躍した。
ラキティッチは中盤ならどこでもプレーできる。正確なボールコントロールとパス、運動量もありコンタクトも強い。ゲームが読めて強烈なミドルシュートからの得点力もある。セビージャでは途中からポジションを1つ上げてトップ下でプレーしていた。このころのラキティッチは中盤でボールを受けて的確に散らし、ゴール前で得点に絡む仕事をする典型的なトップ下タイプにみえたものだ。
2014年にバルセロナへ移籍した当初も、シャビ・エルナンデスの後継者という触れ込みだった。ところが、バルサでのラキティッチはプレースタイルを大きく変化させている。
バルセロナに来た2014年の夏、ルイス・エンリケが新監督に就任している。ルイス・スアレスが加入し、メッシ、スアレス、ネイマールのMSNが結成されることになった。バルサには明確なフィールド上のヒエラルキーがある。フィールドの右側はシャビ、左はイニエスタの領域で、中央はメッシ。彼らの後方にブスケツがいる。
この4人が主にプレーの決定権を持っている。どのようにプレーすべきかを心得ている4人でありチームの羅針盤となる選手たちだ。中でもパスワークにおいて最も重要なシャビの代役として右インサイドハーフに入ったラキティッチには、期待とともに不安も大きかった。
カテゴリ別新着記事
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- FCポルタ、デサフィオC.F、武生FCブルーキッズらがラウンド16進出!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- FCトリアネーロ町田、京都長岡京SS、ともぞうSCらが2連勝スタート!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- トリアネーロ町田、マルバ千葉、TSAフットサルスクール、リオンJr.が準決勝進出!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【第56回全国中学校サッカー大会】
- マルバ千葉fc、リオンジュニア、TSAフットサルスクールらが準々決勝に駒を進める【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- マルバ千葉fcとFCトリアネーロ町田が決勝の舞台で激突【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 判断は“頭”でするものではなく“感情”でするもの。元フットサル日本代表監督の言葉から紡ぐ「すべてを出し切る指導」の真意
- 指導者が熱心でないのでクラブを辞めさせたい
- 「早熟」の基準とは何か。子どもたちの成長につなげる指導者の役割とは