ドイツが優秀なGKを輩出し続ける理由。鍵は「育成年代の指導の質」
2018年07月20日
未分類トニー・クロース(レアル・マドリード)、メスト・エジル(アーセナル)などスター選手をサッカー界に送りだしている育成大国ドイツ。フィールドプレイヤーだけではない。マヌエル・ノイアー(バイエルン)やテア・シュテーゲン(バルセロナ)など、世界でも指折りのGKを輩出している。その秘密はどこにあるのか?どのようにGKを育てているのか?『ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」』より転載して紹介する。
文●川原元樹 構成●清水英斗 写真●Getty Images
『ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」』より一部転載
なぜドイツはGK大国なのか?
マヌエル・ノイアー、テア・シュテーゲン、ベルント・レノ、ケヴィン・トラップ、ティモ・ホルン、オリヴァー・バウマンなど、ドイツは国内外のトップクラブで活躍するGKを輩出し続けています。
なぜ、この国は『GK大国』なのでしょうか。
ドイツではGKは人気ポジションです。小さい頃からGKをやりたがる子どもは多く、GKキャンプをやると100人以上集まることもあります。また、指導者の数も多く、そのネットワークは緊密です。専門的な知識を持つブンデスリーガのクラブの指導者が、各地域の指導者を対象にしたセミナー等を積極的に行い、GK指導者の育成に力を入れています。人気という土壌があり、なおかつ環境をきちんと整備していることは、ドイツがGK大国である最大の理由でしょう。
また、ブンデスリーガは若いGKが多いことも特徴です。2013年に私がドイツから日本に帰ってくるとき、GKの平均年齢は約25歳でした。他の欧州トップリーグと比べても、ドイツは若いGKが多く、23歳以下のGKも6人くらいがシーズンを通してブンデスリーガでプレーしていました。育成年代を終えた後、すぐに高いレベルで試合を経験できるのは大きなメリットです。
日本は若いGKがJ1で試合に出られるかというと、そういうGKは少ないですよね。2番手や3番手として経験を積んでから、というケースが多いです。
昔からGKはワインと一緒で、「年齢を重ねると良くなっていく」と考えられていました。しかし、身体的なピークを考えれば、 24〜5歳辺りがいちばん良い状態になる選手が多いのは事実です。そのピークに向け、若いときから試合経験を積むことができれば、将来的にもっと優れたGKが出てくるはず。
そこで鍵を握るのが、育成年代の指導の質です。ドイツのGKは、育成年代の最終カテゴリーであるU-19まで来ると、GKに必要な技術レベルはブンデスリーガのプロ選手とほとんど変わりません。差があるとすれば、フィジカルレベルや状況判断能力の部分だけ。つまり、身体の強さであったり、思考の速さであったり。
逆に言えば、それ以外の部分はU-19までに完成させなければいけません。それを育成年代でしっかりと指導できているのが、ドイツの強さの秘密です。
日本も10代のうちに、GKが独り立ちできるスキルを身に着けることが大切です。
カテゴリ別新着記事
ニュース
セレクション
-
【ユース セレクション】ザスパクサツ群馬(群馬県)2020.09.23
-
【ジュニアユース 体験練習会】SC大阪エルマーノ(大阪府)2020.09.23
-
【ジュニアユース セレクション】府ロクジュニアユース(東京都)2020.09.23
-
【ジュニアユース(女子)セレクション】ザスパクサツ群馬レディース(群馬県)2020.09.18
コラム
-
キミはどんなタイプかな? 自分のプレースタイルを知るための“40の質問”2021.01.22
-
「eスポーツ」はスポーツか? サッカー選手を目指した少年がeスポーツ選手になるまで2021.01.20
-
サッカーを通じて“目標を達成する力”をつける思考術とは2021.01.19
-
“考えてサッカーをする力”を身につけるためには?2021.01.18
大会情報
-
鹿島アントラーズノルテジュニアが初優勝を飾る ~ワーチャレ取材日記④~2020.12.31
-
大会4日目フォトギャラリー【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2020】2020.12.31
-
準決勝に進出した4チームの指導者は大会で何を感じたのか。 ~ワーチャレ取材日記③~2020.12.30
-
【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2020】決勝トーナメント 大会4日目(12/30)2020.12.30
お知らせ
人気記事ランキング
- “早熟タイプ”か“晩熟タイプ”か。成長のピークはいつ訪れる? 子どものタイプを知ろう!!
- 子どもの「背が伸びない」悩みを食事で解決!! 身長をグングン伸ばす5つのポイントとは?
- キミはどんなタイプかな? 自分のプレースタイルを知るための“40の質問”
- 運動神経は”才能”ではない!? スポーツ上達の秘訣は「脳」にあり
- サッカーのプレー自体にリスクは少ないが…。“コロナ時代のジュニアサッカー” 危険なのは?
- 柴崎岳はなぜ一流になれたのか? 青森山田高・黒田監督「彼はバスの移動中の時間も無駄にしない」
- 「筋トレをすると背が伸びなくなくなる」「牛乳を飲むと背が伸びる」はホントか?
- 「eスポーツ」はスポーツか? サッカー選手を目指した少年がeスポーツ選手になるまで
- 身長は「遺伝」なのか?子どもの背を伸ばす「2つ」の要素
- “考えてサッカーをする力”を身につけるためには?