守備のスペシャリスト対談! 日本人が「マンツーマン」ではなく「ゾーン」が合っている理由

2018年09月05日

インタビュー

KASHIMA, JAPAN - MARCH 19: Daiki Iwamasa  of Kashima Antlers celebrates during  AFC Champions League match between Kashima Antlers and Dam Phu My Nam Dinh at Kashima Soccer Stadium on March 19, 2008 in Kashima, Ibaraki, Japan. (Photo by Koji Watanabe/Getty Images)

チームにゾーンの考え方を落とし込めばすぐにできる

――鹿島でも守備はぼんやりとしていたのですか?

岩政 鹿島はブラジルサッカーなので「個」なんです。だから失点したときは真っ先にマークを外した選手が叱責される。

 ただ、僕がいたときの鹿島は守り方が違います。自分がレギュラーポジションを取るまではそれまでのやり方で戦いましたが、自分が守備の中心になってからはアレンジしました。ブラジル人の監督は試合に出ている選手が多少アレンジすることは容認するし、勝てば問題ないと考えます。

 だから、僕がレギュラーになってからはゾーンの考え方で守っていたんです。運が良かったと思うのは最初に組んだセンターバックが大岩さん(剛、現鹿島監督)だったので、取るべきポジションを取ってくれたんです。だから二人のセンターバックがいるべき場所にちゃんといた。

 今の鹿島を見ていると「なんでそこにいるの?」というシーンもあるのですが、それは相手にポジションを動かされているからそうなるんです。僕らがいた頃はああいう場面はなかったはず。失点場面で「岩政がやられた」と誰もが思っているシーンは僕自身のミスであって、チームとしてのミスはなかったはずです。
 
 僕がいた頃はサイドバックが内田選手と新井場さん、ボランチが小笠原選手なのでみんな攻撃的だったから、僕がゴール前から動かされて誰もいないという状況だけはないように、僕がゴール前にいることを前提にチームを動かしたんです。あのときの鹿島の守備には、一人が動いたら、二人、三人が同時に連動して動くという感覚があった。

 日本のサッカーもそこを突き詰める必要があると思います。本来、日本人は組織的に動くこと、周りと協調して動くことは得意な人種なはずですから。

松田 実際、僕はJリーグのチームを何チームか持ったけれど、それぞれのチームにゾーンの考え方を落とし込めばすぐにできるんですよ。

岩政 そうなんですね。

松田 二日間くらい練習して、あとは慣れるだけ。理論的には簡単なので。チャレンジ&カバーとか、ボールの位置と味方の位置で守備位置が変わるよ、相手の位置ではないよ、最後は相手の位置を見るよ、というだけ。そこに100%ゾーンも、100%マンツーマンもないから、比重の置き方を少し変えるだけだからそんなに難しくはないんですよ。

岩政 そうなんですよね。ゾーンとマンツーのどっちか、と考える人が多いのですが、そういうことじゃないんです。僕がよく感じてきたことは、よりレベルが高くなったときに、マンツーマンで相手の動きに必死に付こうとすると、同時にボールも動いているので展開が速くて頭が回らなくなるんです。でも、ゾーンの感覚でボールを中心に動いていれば、それから相手を見ましょう、ということだから、頭の回し方も整理される。ボールを中心にして守っていると、結局は相手が危険なところに入ってくるから、そのエリアを先に掴んでおけばいい、と頭が整理されているから混乱せずに済むんですよね。

松田 相手が勝手に自分がいるエリアに来てくれる感覚があるんですよね。相手が取ろうとするポジションを僕らが先取りしている。

岩政 そうです、そうです。僕はよく、僕の目の前に途中投入で足が速い選手を置かれることがありました。でも、それは僕からするとすごくわかりやすい。速い選手を投入したというのは「岩政の背後を走れ!」と言っているのと同じじゃないですか。ボールを持ってパスを出す選手も「岩政の前に置いたな。よし、岩政の裏に蹴ろう」となるから、僕からすれば予測してポジションを先取りするからあまり苦労しないで済むんです。ゾーンの考え方をもとにポジションの先取りができていれば、日本が世界に個人で劣るといっても、ゾーンの感覚では十分に守れるはずなんです。

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