U-12年代の試合環境問題を考える。何が育成の弊害になっているのか? /ジュニサカ会議4【9月特集】

2018年09月14日

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リーグ戦化に向けた施作として遠征問題の解消はカギを握る!

中澤「一部、二部、地域によってのリーグ、僕もそれが一番いい形だと思います。ただそれを構築するのに一番難しい問題は『移動』なのかなと思います。例えば、北海道で一部とか二部とかを作ってしまうと『移動はどうするんだ』という問題が絶対に出てきます。僕の出身地の福井であっても非常に時間がかかります」

木之下「でも、それは裏を返せば下のレベルになるもっと小さい地域リーグには移動の問題がないことになりますよね? つまり、強いチームに当てはまる問題だということです。昨年の冬に中体連を取材した時は、東京都はちゃんとリーグ戦化をしていました。移動費がネックになるのであれば、JFAが中心となって各都道府県協会と協力して補助金を出すとか、経済的な援助の仕方・制度に関する施作を考えてもいいのかなと思います」

中澤「FFPで岐阜の指導者によりレベルの高い試合を行うために『遠征をしているんですか?』と質問してみました。 でも、『遠征にはいけない』と。『お金がないから』と答えが返ってきました。遠征はお金がかかるから保護者からの反対もあるそうです。それが地方クラブの実態の一つなのかな、と。そういうところに援助が入るような仕組みを作ると、また変わっていくのかなと思います」

木之下「そのことで一つおもしろい話があります。先月、西宮サッカースクールの取材をしました。その時にグラウンドまでの車中でいろんな話をしました。その中で強化部の島崎久氏に『クラブで活動を行う中で何に困っていますか?例えば、経済的援助を受けられるとすれば何が欲しいですか?』と質問をしました。私個人の意見としてはハード面の問題があるので、『グランドがほしい』とかそういう話になるのかなと想像していました。

 でも、返事されたのは『遠征用のバスがほしい』ということだったんです。西宮サッカースクールは兵庫県でもトップ4に必ず入るような強豪クラブで、関西でも指折りの強豪クラブです。そういうクラブが拮抗した試合を行うためには遠征をしなければならないんです。そうすると移動の問題があって、それを実行に移すのが難しい現状もあるようなんです。保護者が反対している理由は経済的な面と安全面と二つがあると思うんです。もし強豪クラブに遠征バスがあれば燃料費や維持費を所属している全員で負担すれば解消できることもあるわけです」

中澤「ワーチャレでもバスで来ているクラブはありましたよね?」

木之下「詳しいことは確認しないとわからないけど、Jクラブや関西近郊のクラブだと遠征用のバスをレンタルしているようなクラブはあったのかもしれません」

中澤「町クラブレベルでも遠征バスはほしいですよね」

木之下「遠征バスが一台あれば、随分解消できる問題はありますよね。今後リーグ戦化が進み、例えば1部から5部など拮抗した試合環境が整えられた場合にはそれが一つの問題解決を導くカギにもなるとも思っています。もちろんハードの問題もありますけど、そこは協会関係にだけ負担をかけるのではなく、totoの助成金など解決方法の一つとしてヒントになることもあるのではないでしょうか。

 JFAが行っている『JFAスポーツマネジャーズカレッジ』というものがあります。そのサテライト編を受講して認定を受けると、確かtotoから50万円の助成金を受けられる資格をもらえる仕組みになっています。もちろん私が受講したのは2年前だったので今もそれを継続しているかは調べないとわかりませんが、そういう制度を知っていれば地域の町クラブにとってはプラスに働くこともあると思います」

中澤「海外とかって、移動の問題はどうなんですかね?」

木之下「おそらく移動が可能な範囲内でのリーグ戦、あとはトップレベルになればそれを経済的に負担できるだけのクラブが所属している形なのだ、と。当たり前かもしれませんが、一部になるほどプロクラブの下部組織チームが集まっているというヒエラルキーの在り方なのではないですか。そこについてはカテゴリーによっても違うでしょうし、そこは調べてみなければわかりませんが、おそらくドイツでもスペインでも全土という考え方ではなく、州単位で一つのブロックわけとするような考え方をしているはずです。

 だから、例えばスペインで言えばカタルーニャとかバスクとかでちょっとしたローカルルールが違ったりするというのがあるんだと思います。それは当たり前の話で、地域の特性などを含めた文化・社会の在り方なので一国として統一されていなければならないなんてことはありえないし、考えてもいないのではないでしょうか。ワーチャレでもアーセナルFCの監督に話をした時に、プレミアクラブとローカルクラブとわけて話をしていたことにもそのあたりは示されていると思います。クラブとしての資本が違うのに、同じ土俵で様々な話はできません」

中澤「確かに、そういう話し方をしていました」

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