どうゴールを奪うのか。なぜかメッシは子どものときからそれを知っていた
2018年09月20日
サッカーエンタメ最前線
研ぎ澄まされたテクニック。全く無駄のないスタイル
メッシのプレーそのものもルーティーン化している。相手のディフェンスラインの手前をスタスタと歩き、時には静止してフリーになる。前を向けたら仕掛けて決定的な状況へ持っていく。そのときに繰り出されるテクニックも毎回ほぼ同じ。やろうと思えば何でもできるのだろうが、メッシの技は最小限だ。
右へステップして左足のアウトで左へ抜ける、これが最も得意な形。その逆パターンとして、左のアウトで触るとみせて相手の左足が出てくる瞬間にインサイドで右方向へ抜ける。背負ったときは2つを組み合わせて揺さぶって前を向く。大きくボールをまたぎ越して間合いを取り直す。
あとは即興的なダブルタッチやナツメグ(股抜き)もあるが、だいたいこんなところなのだ。シザースは使わないし、足裏も多用しない、ネイマールのようなヒールリフトもしない。最小限の技の組み合わせで最大の効果を上げる。パスを受けるために走り回ることもない。静かに全体の動きを見ながら歩き、隙間を見つけてパスを受ける。
全く無駄のない研ぎ澄まされたスタイル。マラドーナが絢爛豪華な宮殿なら、メッシは禅寺のごとき佇まいか。何をしてくるかわからないというより、わかっているけど止められない。余分な装飾は一切省かれていて、毎回同じ手順でゴールするからメッシは機械のように見えるし、だいたいどの得点シーンも既視感のあるものばかりになる。
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