「認知・判断・実行」はどう鍛える? 良いプレーは“考える”ではなく”選ぶ”
2018年11月12日
コラムシュートを打たなかった選手に「ゴール見た?」
アーセナルSSが、独自のスタイルを実現するための『止める・蹴る』の指導については、十分に理解できた。しかし、サッカーは得点、つまりゴールを奪い合うスポーツ。『蹴る』の中でも、パスと同様に重要なシュートにも触れておかなければいけない。
「U11の選手に、技術的なことで唯一指導するのは、基本的には力を抜いて、インパクトのときだけ力を入れること。それだけで強いシュートが打てますし、強く打てれば弱くも打てるようになります」
そして、それ以上に重要なのが、シュートを打つ意識やゴールを決めたいという意欲だ。
「うちはフィールドを3分割して、相手ゴールに一番近いエリアをフィニッシュエリアに設定しています。目的はチャンスを作って、ゴールを決めること。だから、そのエリアにいてシュートを打たなかった選手には、『目的は何?ゴール見た?』と聞きますね。逆に言うと、積極的にシュートを打つ選手には、いくら外しても何も言いません。
昨年、指導していた現U14のチームにシュートを打ち続ける選手がいたのですが、僕は何も言いませんでした。日本は協調性の国だから、シュートを打ち続ける選手はそれだけで貴重だし、そういう感覚でいる方が、ストライカーは育つと思いますね。それに、日本人の狙ったところにボールを蹴る技術は世界でもトップクラスですから、シュートを打ち続けるメンタリティは本当に大事です」
実際、この取材日の練習の最後に行われた5対5のゲームでは、子どもたちは相手ゴールに近いエリアに入ると、ゴールを狙って積極的にシュートを打っていた。ディフェンス側は当然、ゴールを決められまいと必死に守る。すると、攻撃側は再び判断し直して、状況に応じたキープやパスを選択する。それはまさに、アーセナルSSが目指すサッカースタイルそのものだった。
アーセナルのプレーモデルを実現するために
どの年代の子どもたちでも、基本的に指導方針は変わりません。ピッチをワイドに使ってショートパスをつないでいくというアーセナルのプレーモデルに沿って、指導にあたっています。
その中で私たちが大切にしているのは、プレーにおける「認知・判断・実行」。止める・蹴るは具体的なプレーで「実行」にあたりますが、それ以前の「認知」と「判断」、つまり敵や味方、スペースなどの状況を見て、正しく判断して「実行」につなげていくことが大事です。それができれば、ファーストタッチで自分に有利な状況を作り出せますし、自分のパーフェクトスキルを発揮できます。そして、いろんな選択肢の中からベストなプレーを選ぶ。こうした力を高めるためのトレーニングに日々取り組んでいます。
私自身50年サッカーを続けていますが、その根底にあるのはサッカーから感じる“楽しさ”。子どもたちにも長くサッカーを続けてもらいたいと思いますし、そのうえで一人でも多くの選手が高いレベルを目指せるように導いていきたいですね。
アーセナルサッカースクール市川 幸野健一代表
親子で学ぶ二泊三日のサッカーキャンプ「ジュニサカキャンプ」を開催! 参加者募集中!
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024 関東トレセンキャンプU-14」参加メンバー発表!2024.12.16
- U-19日本代表候補、国内トレーニングキャンプ参加メンバー発表!2024.12.16
- U-16日本代表、スペイン遠征参加メンバー発表!2024.12.05
- 「東北トレーニングキャンプU-17」参加メンバー発表!2024.12.05
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024 関東トレセンキャンプU-14」参加メンバー発表!
- U-19日本代表候補、国内トレーニングキャンプ参加メンバー発表!
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- U-16日本代表、スペイン遠征参加メンバー発表!
- 「2024ナショナルトレセンU-14 前期 」参加メンバー発表!
- 「JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会」で輝いた8人の選手たち/ジュニサカMIP
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!
- 「2019ナショナルトレセンU-12関東」参加メンバー全80名発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「サッカー選手になれないなら医者になる」。成績”ほぼオール5″の武藤嘉紀が実践した文武両道