ボールにふれずに試合が終わって 「サッカーが楽しい」と思えるか? 練習メニューを決める前に考えたいこと
2018年11月14日
サッカー練習メニュー「個」を育てる3つのキーワード
包括的なトレーニングを行う上で、キーワードとして挙げたいのが次の3つです。
個を育てる3つのキーワード
1.インディビジュアリジールング(個人に目を向けたアプローチ)
2.ディファレンツィールング(それぞれの特性を明確にする指導)
3.オプティミールング(選手の素質の最適化)
インディビジュアリジールングとは、直訳すると「個人化」。ここでは「個人に目を向けたアプローチ」と解釈します。チームとして勝利を目指しながらも、指導者の視線は選手自身の成長に気を配るところから離れてはいけません。さらに、それぞれの選手がその年代で求められるプレーモデルに必要なスキルをどれだけ身につけているかに目を向けることが重要です。
ディファレンツィールングとは、「差別化」の意。つまり「それぞれが持つ特性を明確にする指導」を求めようということに なります。同じ練習をしていても、それぞれの子どもは才能も能力も個性も経験値も違うので、一人ひとりに合った声掛けや指導が必要になります。「なぜできないんだ」と叫ぶだけの指導者の爆発は、私からすれば「なぜできると思っていたんだ?」という論理性の欠如の表れにしか見えない。そんなに簡単に物事が身につくのであれば 誰も苦労はしませんし、指導者だっていらないでしょう。子どもたちの現在位置を見極め、辛抱強く導く姿勢がなければ、育成は絶対にうまくはいきません。
3つ目のオプティミールングとは、「最適化」を意味し、「選手の素質の最適化」を目指すことです。サッカーに必要な本質部分をベースに選手それぞれの素質・傾向・能力を考慮して育てていくこと。決め打ちしかできない選手ではなく、状況に応じた判断を自主的にできる選手。何でもそつなくこなすのではなく、武器の使い分けが主体的にできる選手。そういう選手を育てるためには、冒頭のシュトゥーバーの言葉にもあるように、「ベースとなる出発点は、いつでもピッチ上のゲームの中」であるところから考察することが大切です。
こうした3つのキーワードをベースに、「技術」「戦術」「フィジカル」「メンタル」「思考力」というサッカー選手に必要な基本5大要素を、年代に応じた長期的な視野で取り入れていくことで選手は成長していきます。例えば、「ドリブル」といっても様々な種類や段階があります。最初は「ボールと一緒に動く」感覚を身につけ、「ボールを適切な力で自分が運びたいところへ押し出しながら、すぐにコントロールできるように追う」過程がドリブルだと、頭と体が知ることがポイントになります。
できるようになったら「スピードを上げる」「方向を変える」「リズムを変える」と難易度を上げるわけです。ただ「ボールと一緒に動く」感覚が身につくまでは、そればかりをやらなければならないわけではありません。基本ができないとゲームができないわけではありませんし、むしろゲームを通して基本を身につけていくという視点が非常に大切です。もっと言及すれば、ゲームを通して基本を身につけられるようにトレーニングをデザインをすることが重要だと、ドイツでは考えられています。
【1/22トークイベント】中野吉之伴氏×末本亮太氏『ドイツサッカーの育成文化をどう日本に落とし込むか』
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