カラダを動かすエネルギー源を補充。今、子どもたちに”糖質貯蓄”が必要なわけ

2018年11月27日

コラム
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いよいよ秋も深まってきました。10月のテーマ「体の再構築」を継続しつつ、冬に向けての「パワーを貯蓄する」のが11月の食育連載のテーマです。旬の栄養がギュッと詰まった食材を使い、貯蓄高をできるだけ上げていきましょう。また、寒さに向かって体を温める食材を使い、免疫力が下がらない体づくり、ケガをしない体づくりをサポートしましょう。

構成●宇野美貴子 写真●木之下潤、佐藤博之


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糖質の敬遠は無用。糖質は子どものエネルギー源!

 動物たちはこの時期から冬眠に備え、秋が深まると食料をため込みながら体に脂肪を蓄え、冬を迎える準備に余念がないそうです。たくさん食べて、体にパワーをため込むのは冬になると食料がなくなるからです。体に脂肪をためるのは冬眠中に何も口にしなくても、蓄積された脂肪が基礎代謝分のエネルギーに代わるからです。

 秋の果物の代表格といえば、カキ、ユズ、ミカン、リンゴ、キウイ、カリンなどがあります。これらの果実が、この時期に旬を迎えて甘くなるのは、それを採って食べる動物に糖質を与えるためだと考えられています。また、秋といえば稲穂が黄金に輝き、新米のとれる時期ですが、その新米がおいしいのも様々な栄養と共に糖質がしっかり含まれているからです。子どもたちにも、そんな糖質たっぷりの旬の食材を使った料理を作ってあげてください。

 ジュニア世代の子どもを持つお母さんの中には「糖質は太る」原因と考え、敬遠される人がいらっしゃるかもしれません。「炭水化物ダイエット」はちょっと前に流行りましたから。でも、太る原因である糖質とは、甘いケーキやお菓子、甘みたっぷりの飲み物などのことなのです。「糖質制限」や「糖質オフ」といったことが叫ばれている理由は、現代が甘いもので溢れているからです。

 人は、甘いとおいしいと感じます。

 そのため、トマトはすっかり昔と味が変わりました。長ネギでさえどんどん甘い品種が生み出されています。甘い方が売れるのですから、生産者も甘い野菜を作っていきます。しかし、その甘みは糖質です。ただでさえ野菜などの食材に糖質が増えているのに、子どもたちに甘いおやつをどんどん与えたり、ケーキバイキングに通ったりしてばかりいると、糖質ばかりの食生活になってしまいます。

 そんな余分な甘いものは必要ありませんが、旬の食材などを使ったバランスのとれた食卓で摂る天然の糖質は、体になくてはならないものです。特にサッカーをしている子どもたちにとっては、運動するためのエネルギー源として非常に大事なものです。

 糖質について少し勉強しましょう。

【3大栄養素】
1.タンパク質(糖質&食物繊維)
2.脂質
3.糖質

 糖質はエネルギー源となる3大栄養素の一つです。その多くは、胃や十二指腸で消化されるとブドウ糖などに分解されます。そして小腸から吸収され、肝臓や筋肉に貯蔵されて体のエネルギーとして利用されます。脳のエネルギー源のほとんどはブドウ糖ですし、全身の細胞に酸素を届ける血液中の赤血球もブドウ糖を活用しています。

 全身のエネルギーとして使っても、さらに余った分、つまり余分に摂り過ぎた糖質は、冬眠する動物が何も食べなくても冬を乗り越えられるように、脂肪細胞に蓄積されます。それが、糖質が太る原因と言われるゆえんです。

 しかし、活発に運動している子どもたちなら、蓄積されるより先に体を動かすエネルギーとして燃焼されてしまいます。逆に、少々脂肪として蓄積されたぐらいの方が、エネルギーとしての蓄えがあると捉えることできます。それが「パワー貯金」であり、子どもの体の成長には必要不可欠な栄養素です。

また、炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものですが、食材としての糖質やご飯を減らしてしまうと、食物繊維不足を招きかねません。大人が「炭水化物ダイエット」をしていたとしても、サッカーをしている子どもたちには成長のためにきちんと「炭水化物」を食べさせなければいけません。

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