10年後に通じるサッカーを見据えたトレーニングを行うこと。それがゴールであり、目的【10月・11月特集】

2018年12月05日

サッカー練習メニュー

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4つの構造からシンプルにサッカーを捉える

――もしかしたら「どうしたらいい」を考えるよりも、指導者が「自分の好きなサッカーはこうだから」という考えでトレーニングに落とし込んで行った方がいいんですかね?どうしたらいいかがわからない指導者たちは「こうしなければならないサッカー自体がなかったり、わからなかったりするのかな」と感じるんです。それってゴールを設定することで進む方向を選手に示すことと同じなのかな、と。

濱吉「指導者がサッカーを知らない、サッカーが分からないといった時には、やはり攻撃方向がキーワードかなと思います。そして、簡単にサッカーの構造が知る必要があります。ボールを持ったら前に進む。ボールを奪われたら戻る、取り返す。大事なのは、その前提となっていることが集団的な判断が基準になっているということです。1998年のワールドカップ時にクロアチア代表を指揮したブラジェヴィッチ監督はチームの戦術を傘に例えました。

「とったら開く。とられたら閉じる」。

 サッカーの構造としてイメージがなければ、『このチームのサッカーが好きだな』と思うチームを見つけるのもいい方法だと思います。そうして見ていくうちに攻撃、守備、攻守の切り替え、守攻の切り替えの4つ構造でどういうプレーが多く行われているのかに気がつきます。それに気づいたら試しに指導しているチームに持ち込んだらいいのです。それを繰り返すうちに少しずつ理解が進みます」

――自分の好みが自分の理想のスタイルです。

濱吉「そういう身近なところからのアプローチで十分です。トレーニングの中に近代サッカーに必要不可欠な『プレースピード』と『コミュニケーション』という2つの要素を加えるだけですばらしいトレーニングです。コミュニケーションは集団スポーツの中で一番大事なもの。協力して攻め、協力して守るという単純な構造です」

――誰と誰が協力すればよかったか。どう協力すればよかったか。そういうふうに子どもたちのプレーをシンプルに見ていくと、アプローチの仕方も変わっていきます。

濱吉「攻撃、守備、攻守の切り替え、守攻の切り替えの4つの構造はわかりやすい見方ですよね。実は、10年くらい前までは3つでした。単純に攻守の切り替えしかありませんでした。サッカー界はそれだけ専門的に発展しているわけです。今では4つの構造が分析の元になっているし、自分たちのサッカーの構築にもつながっています。ボールを持った瞬間どうするのかな。取られたらどうするのかな。たった4つだけでサッカーの見方が随分変わるわけです」

――サッカーを攻撃、守備、攻守の切り替え、守攻の切り替えで見て、何が起こっているのかを考えると修正すべきところ、伸ばすべきところがはっきりします。ボールを中心に展開を追うのもいいと思いますが、指導者は「ボールを中心にどう人が連なっているのか」を見て欲しいです。

<関連リンク>
・【10月・11月特集】「トレーニングをデザインする


濱吉氏 新著『サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方』 2021年1月6日発売!


<プロフィール>
濱吉 正則(はまよし まさのり)

1971年7月5日生まれ。UEFA公認プロコーチライセンス所持(JFA 公認S級コーチ相当)。大学卒業後の1995年にスロベニアへコーチ留学。帰国後は名古屋グランパス、徳島ヴォルティス、ギラヴァンツ北九州などでコーチを務めた。2016年にSVホルン(オーストリア)の監督に就任。現在は九州産業大学サッカー部の監督として活動している。


【商品名】『サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方』
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/01/06

【書籍紹介】
近年サッカー界で話題の「プレーモデル」という言葉。

欧州のクラブで、プレーモデルは当たり前のように取り入れられているが、
日本ではプロクラブですらプレーモデルという文化が定着しているとは言えない。

本書では、グラスルーツの指導者にもプレーモデルの概念を理解できるような、まさに教科書です。


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