「1タッチ目のボールの置き所が良くないな」。1日目の試合を見終わった直後にそう思った/ジュニサカ取材日記②

2018年12月27日

育成を考える

取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之

2日目に向けて自力で改善できるボールの置き所!

「全体的に1タッチ目のボールの置き所が良くないな」。

 小雨が降りしきる初日、すべての試合を見終わった直後にそう思った。『ボールを止める』という技術的な側面だけに目を向けたらミスも少なく、うまい選手たちは確かに多い。だが、チーム全体のプレースピードという点においては物足りなかった。

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 例えば、フォワードの選手はディフェンスを背負った状態でもブロックしながらボールを取られることなくキープしているし、ミッドフィルダーの選手もプレッシャーをかけられる中きちんと足下にボールを収められている。ディフェンダーの選手もビルドアップでボールを動かす時に慌てることもない。

 ただ、『ボールの置き所』さえよければ、もっと次のプレーの質は高まる。

 ゴールキーパーがボールをキャッチする。近くにいた右サイドバックにボールを展開する。縦にボールをつけようとしたが、すでにマークがいる。だから、センターバックを経由してサイドを変えたい。そこで、センターバックにパスを送る。すると、センターバックが来た方向にボールをコントロールしてしまった。当然、相手は左サイドにボールを展開させたくないので、そのパスルートを消すようにプレッシャーをかけて来る。だから、また右サイドバックにボールを戻した。何気ないシーンだが、こういうシーンが目立つ。

 他のパターンもある。ピッチを3分割した中盤エリアの後方で、左サイドバックの選手がセンターサークル中央付近にいるフォワードに斜めへクサビのボールを出した。その時、右サイドにスペースが空いている。だから、フォワードが少しでも左方向に1タッチコントロールすれば、次のボールタッチで空いている右サイドのスペースを使うことができる。

 でも、ほとんどの試合でフォワードの選手たちが行ったプレーは自分の正面、パスが出て来た方向にボールをコントロールしてしまっていたため、攻撃のスピードが上がらなかった。その時のプレーの選択肢はだいたい3つ。

▼左サイドバックにもう一度パスを戻す
▼斜め後ろにいるセンターハーフに下げる
▼自力で時間をかけながら次の展開につなげる

 せっかくクサビのパスで攻撃のスイッチを入れたのに、ボールの置き所が良くないため、素早い攻撃につながることが少なかった。

 そもそも『ボールの置き所』には判断の要素が含まれている。この瞬間に考えられるプレーは簡単に3つ挙げられる。

1.相手に取られないための置き所
2.スペースを活用するための置き所
3.味方を活用するための置き所
(ダイレクトで落とすプレーを含む)

 さらに大まかだが、上記3つの要素は2つの分け方ができる。それは1と2は自力で解決できること。また、3は味方の力が必要になることだ。ここが2日目につなげるための改善ポイントになりそうだ。

 1と2は、ボールの流れを把握しながら意識して周囲を見渡すことができれば『自力で解決できるボールコントロール』となる。1は相手の位置を常に確認しておけば修正できること。マークを見ておくことはサッカー選手にとって当たり前のことだ。

 2はボールを前進させるために必要なプレーであり、このポイントを押さえてプレーできなければ攻撃を構築することはできないし、ゴールにつながる攻撃を生むことはできない。それはフォワードだからとか、ミッドフィルダーだからとか、ディフェンダーだからとか、ゴールキーパーだからとかは関係なく、空いたスペースに対する認識はピッチ上の全員が持っておかなければならないスキルだ。

 しかし、実情は空いたスペースを常に認識することは非常に難しい。なぜならピッチ上の選手は全員が動くからだ。ようするに、空いたスペースは常に変化する。だからこそ1で行う『常に周囲を確認する』時に、同時に空いたスペースを見ることが大切なのだ。

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