躍進した地方クラブ勢。都会のクラブと対等に戦うために必要なこと/ジュニサカ取材日記⑤

2018年12月29日

コラム

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関東・関西勢と対等に戦えるように

 決勝トーナメントは全てPK勝ちで勝ち上がってきたアビスパは、ジュネッス相手にも粘り強い守備を見せ、0-0のまま延長戦へ。延長戦では相手の個人技を抑えきれず0-2で敗れましたが、個々が戦う姿勢を最後まで見せ続けました。

 井上孝浩監督は「九州のチームは関東・関西のチームよりも格下と見られがちです。これを何とか同等のレベルに上げていきたいのです。ソレッソさんもそうですし、九州の指導者はみんなそう思っています。格上にジャイアントキリングしよう、ではなくて対等に戦えるようにしたいのです」と熱い気持ちを口にしました。

「誰もアビスパがベスト4まで来るとは予想していなかったと思いますし、選手たちも自分たちは全チームの真ん中くらいの力ではないかと言っていました。どうやったらファイナルまで残れるか考えた時、1試合目よりも2試合目、2試合目よりも3試合目と試合を重ねるごとに、徐々に成長して力をつけていけばベスト8、4まで戦う力がつくかもしれないと選手に話し、そこまで行けた現実は評価しています。1試合ごとに成長した姿が見られ、意味のある3日間でした」と振り返ります。

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 すぐに強豪と対等には戦えなくても、少しずつ成長して対等に戦えるようになろう、とアプローチした成果が出ました。

 ソレッソもアビスパも準決勝は敗れましたが、子どもたちに大舞台で力を発揮させようとさまざまなアプローチを行った指導者の努力が実り、大健闘を見せました。

 果たして関東・関西の子と地方の子に違いはあるのでしょうか。ベスト8進出した東京ヴェルディジュニア(東京都)の蓮見知弘監督は、14年間ベガルタ仙台アカデミーでコーチやスカウトを務めた経験を持ち、東京の子も仙台の子も知り尽くす存在です。

「地方の子も都会の子も全国大会で緊張するのは一緒なんです。いつもなら自信を持ってやれるプレーがなかなか出ないというのは変わらないと思います。ただ、何かをきっかけにそうした自信を出せる時があります。そのきっかけを早く見つけ出せるのは都会の子かもしれませんね」と蓮見監督は語ります。

 そうした中、ソレッソの広川監督もアビスパの井上監督も懸命に子どもたちの自信を引き出そうとトライをしていました。地方のチームの指導者は、関東・関西のチーム以上に、全国の舞台で選手の自信を引き出そうと努めることで、大会での躍進へとつながっていきます。

 そうしたトライをし続けることで、いつの日か地方チームが頂点に立つ日が来るかもしれません。小学生年代は人口の多い関東・関西に優位性があるのは揺るがないかもしれませんが、懸命にその差を埋めようと試みる地方チームの頑張りにもぜひ目を向けてみてください。


【特設ページ】JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会【取材日記】


 

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