立ち返る原点はあるか? ドイツの改革成功の要因は「指導者のサッカー観」にある
2019年01月20日
コラム
うまくいかないときに立ち返る原点があるか?
育成プロジェクトの導入後も、壁にぶつかったことは何度もあった。それを乗り越えられたのは「ドイツサッカー全体で変わっていこう」という働きかけがあったからだ。部分的に取り組んでいたら、どこかでそこから抜け出せなかったかもしれない。
「代表チームだけを強くしよう」
「ブンデスリーガだけを改善しよう」
そうではなく、グラスルーツに至るまで自国のサッカー哲学を本気で共有してきたからこそ、壁にぶつかったときも本来の目的を見失わず、原点に立ち返り、新たな目的に到達できたのだ。ドイツのサッカー改革で特筆すべきものの一つが『指導者の持つサッカー観』だ。
変わらなければならないタイミングでも、最先端のトレンドに闇雲に飛びつくのではなく、ブレてはならない基本を認識し、新しいものを取り入れるためにはブレてはいけない核に「何をどう加えたら新しいものが得られるか」を考えられるようになったことだ。
実際のところ、ドイツの指導者すべてがすばらしいわけではない。グラスルーツレベルを見回しても、練習メニューやトレーニング理論への勉強意欲は日本の指導者の方が高いかもしれない。ただ、サッカーへのアプローチがとてもシンプルな点は評価すべきことだ。
はじめから多くを盛り込むのではなく、最も大事な基本的なところから取り組み、少しずつ時間をかけてバリエーションを増やし、それぞれの質を深めていく。どっしりとした根があるからこそ、ビクともしない幹が育ち、葉や花が綺麗に咲き誇るのだ。
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