ポゼッションが目的ではない。バルサメソッドの創始者が語る「ロンド(鳥かご)」の本質
2019年01月23日
サッカー練習メニューロンドは「ウォーミングアップのため」ではない
ロンドは必ず実施するべきだと考えています。なぜなら、試合中に起こる問題と似たような状況において、選手たちは問題を解決する手段を手にいれることができるからです。しかしながら、練習の中でロンドだけ集中して行えばよいというわけでもありません。ロンドだけではなく、特にシュートの要素を含むような他のゲームと併せて行うとよいでしょう。
ロンドは、小さな子どもたちにだけ有効であるとか、大人の場合は 空いた時間を埋めるためか、ウォーミングアップのためのものと考えている指導者が少なくありません。しかし、私たちは、ロンドを全く別のものとして考えています。
バルサを含めた、いくつものチームがロンドを行う様子を見てきました。私が考えるロンドと、実際に行われているロンドが全く異なっていることがあります。ただボールをキープするためだけの技術の向上を促すだけでは、ただ同じ場所でパスが繰り返されているだけです。私がロンドによって目指すのは別のものです。ロンドを通して選手たちが技術と戦術理解を高めます。
例えば、4対2のロンドで行う中で、ボール保持者は、自分の左右、そして中央にサポートがあり、奥に離れた選手は、2人のディフェンスの間でボールを受けられるようにデスマルケ(マークを外すこと)を行います。この動きを繰り返し、3人の選手が正しい形でボールホルダーをサポートし、味方に対してパスコースを用意する必要があります。3人のうち1人でもポジションが悪ければ、指導者はポジションが悪い選手をディフェンスと交代させます。
同様に、中央のパスコースが空いているのにボールホルダーがサイドの選手にボールを出したら、ディフェンスの選手と交代させます。高いレベルのロンドを始める前には、試合とロンドの状況が類似していることについて説明する必要があります。ロンドで理解することは、足元へのパスは両サイドにいる選手へのパス、ディフェンスの間へのパスは、空いているスペースへのパスということです。
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