ポゼッションが目的ではない。バルサメソッドの創始者が語る「ロンド(鳥かご)」の本質
2019年01月23日
サッカー練習メニュートレーニングメニューの一つとして知られているロンド(鳥かご)。プロからジュニアのチームまで幅広く取り入れられている練習ですが、「ポゼッション」を目的にしてしまっては意味がありません。ロンド(鳥かご)のトレーニングはなぜ必要で、どのようなことを学べるのでしょうか?バルセロナのコンセプトを作り上げた“バルサメソッドの創始者”であるラウレアーノ・ルイスの言葉から紐解いていきます。
再構成●ジュニサカ編集部 著●ラウレアーノ・ルイス 訳●高司裕也 写真●Getty Images
『世界最高のサッカー指導書 バルセロナトレーニングメソッド』より一部転載
試合で起こることが凝縮されている
1957年、ラシンでプレーをしながら、ユースの監督をしている時に、ロンドのトレーニングを思いつきました。高い技術と複雑な戦術についてしっかり指導した上で行えば、ロンドは最適なトレーニングになるでしょう。
ロンドをすることで、選手たちはボールの受け方、レガテ、ボールテクニック、パスなど、技術を完璧なものにしながら、状況に応じた最良の解決策を見つけられるようになります。同時に、限られたコートの中で、相手と激しくぶつかり合い、高い強度でトレーニングができます。
ロンドで、戦術とフィジカルを同時にトレーニングするのは基本的なことです。旧来のトレーニングを行っていては、選手たちは動きの無い中でボールに触り、決められた場所に固定されてしまいます。数的に優位な状況でも、その優位性を活かすことができません。
ロンドは、選手たちに賢さと高い集中力を求める、戦術のトレーニングです。同時に、最大限の強度でプレーすることが要求されます。新しく入った選手たちが、最初に驚くのは疲労度です。ロンドでの疲労度は、トレーニング後の状態と変わりがないほどです。目のくらむようなトレーニングに慣れていないということもありますが、絶えず集中が求められ、急激なスピードの変化もあるということもあるでしょう。
ロンドの中には、シュートの場面を除いて、試合で起こることが凝縮されています。競り合い、空いているスペースを探して動くこと、ボールを保持している時と保持していない時の動き方、ダイレクトでどのようにプレーするのか、タメをどのようにつくるのか、ボールをどのように奪い返すのかなどがあります。ロンドを通して、これまでたくさんの選手たちを育成してきました。
しかしながら、ロンドをしていると目的がゴール機会の創出ではなくボール保持にすり替わってしまうことがあります。試合に置き換えてみると、ボールポゼッションだけしよう、というプレーです。ボールポゼッションを目的にすると、攻撃における積極性が欠乏し、創造性の高いプレーやシュートが見られなくなることがあります。
カテゴリ別新着記事
セレクション
-
【ユース セレクション】ザスパクサツ群馬(群馬県)2020.09.23
-
【ジュニアユース 体験練習会】SC大阪エルマーノ(大阪府)2020.09.23
-
【ジュニアユース セレクション】府ロクジュニアユース(東京都)2020.09.23
-
【ジュニアユース(女子)セレクション】ザスパクサツ群馬レディース(群馬県)2020.09.18
コラム
大会情報
-
大会4日目フォトギャラリー【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022】2022.09.02
-
大会3日目フォトギャラリー【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022】2022.08.31
-
大会2日目フォトギャラリー【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022】2022.08.31
-
大会1日目フォトギャラリー【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022】2022.08.29
お知らせ
ADVERTORIAL
![]() | ジュニアサッカー大会『ドリームカップ卒業大会in白子』参加チーム募集中!! |
人気記事ランキング
- 「反抗していたことが馬鹿らしく感じた」。“自由だった”井手口陽介の価値観を変えた母の病気
- 「FUJI FILM SUPER CUP 2023 NEXT GENERATION MATCH」に参加する日本高校サッカー選抜メンバー発表!
- 「2022ナショナルトレセンU-13 後期(中日本)」参加メンバー発表!
- 身長は「遺伝」なのか?子どもの背を伸ばす「2つ」の要素
- 人生最大の挫折――。本田圭佑がガンバユースに昇格できなかった本当の真相【後編】
- 脳に悪影響? 利き手矯正の弊害
- 低学年と高学年の食事量の違いは?/小学校5・6年生向けの夕食レシピ例
- 8人制にインサイドハーフ型の「1-3-1-2-1」はどうか?アトレティコU-11が実践した考えるサッカー
- 日本と世界の少年サッカーの違い。日本の子どもは「コーチに従うだけ」「サッカーに時間を費やしすぎ」
- 「2022ナショナルトレセンU-13 後期(東日本)」参加メンバー発表!