ボリビアとノルウェーから学んだ育成の本質。 日本が掲げる「プレーヤーズ・ファースト」の原型
2019年01月27日
コラム
【北欧に位置するノルウェー。代表チームはワールドカップに3度、出場している】
40年前に掲げたノルウェー協会の指導方針
もちろん、ノルウェーにも行きました。
フィヨルドに分断されたノルウェーは、地理的に恵まれているとは言えません。冬は屋外での活動が難しく、国内移動にも時間がかかります。そんな状況でも厳しいヨーロッパ予選を突破し、アメリカ行きを決めた裏には必ず何かある。
それを探りに行きました。
すると、グラスルーツや育成年代の強化に力を入れていることがわかりました。
とりわけ心を動かされたのが、子どもたちの力を伸ばすためにノルウェーサッカー協会が設けていた「少年サッカーにおける7つの心得」と、それを実現させていくための「親のための10の心得」です。
《少年サッカーにおける7つの心得》
1.子どものサッカーは遊びであり、それは楽しくなくてはなりません。
2.子どものサッカーで最も大切なことは、友だちと一緒にプレーすることです。
3.すべての子どもに同じ時間プレーさせてあげてください。
4.子どもたちに勝ちと負けの両方を学ばせてください。
5.対外試合よりも、クラブでの練習を。
6.子どものサッカーにはバラエティに富んだ活動が大切。
7.子どもにとっての楽しいサッカーを一緒に作り上げていきましょう。
《親のための10 の心得》
1.試合や練習を見に行ってあげましょう!
……子どもはそれを望んでいます。
2.試合ではすべての子どもを応援してあげましょう!
……自分の子どもだけではいけません。
3.調子の良いときだけでなく、調子の悪いときも勇気づけてあげましょう!
……批判はいけません。
4.チームリーダーを尊重してあげましょう!
……彼らの判断に圧力をかけないように。
5.レフェリーはインストラクターとみなしましょう!
……判定を批判してはいけません。
6.子どもが参加することを刺激し、勇気づけてあげましょう!
……プレッシャーにならないように。
7.試合がエキサイティングだったか、楽しかったか聞いてあげましょう!
……結果だけを聞くことがないように。
8.サッカーにふさわしい、節度ある用具を準備してあげてください。
……おおげさにならないように。
9.クラブの仕事を尊重してください。
……積極的に親のミーティングを開き、どのような態度で臨むべきか話し合いましょう。
10.忘れないでください。サッカーをするのはあなたの子どもです。
……あなたではありません。
もちろん正解は、ひとつではないかもしれません。ただ、ここでも言えることは、タウイチ・アカデミーにも共通している重要な「プレーヤーズ・ファースト」の精神ではないでしょうか。
人口が少ない、地理的にも気候的にも恵まれていない。そんなハンディを埋めるためにと考え出されたノルウェーの心得は、世界中のすべての国が参考にすべき、子どもの成長を助けるための素晴らしいスローガンだと思います。いまでは日本でも、親にも教育しながら選手を育てていこうという風潮が出てきましたが、40年も前からそれに気づき実践していたことは本当に素晴らしいと思います。
育成の成功なくして真の強化は実現できない。そうした思いがあるからこそ、グラスルーツの充実に力を注いでいるのでしょう。
海外に行き、自分の目で確かめ、話を聞く。そうすることで、初めて学ぶことができるのです。一度そうした感動を味わうと、ハマってしまいます。世界中どの国にも行ってみたくなりますし、そこで学んだ素晴らしいことを日本に取り入れたくなる。
私がいまも海外に足を運んでいる理由は、そうした原体験があるからです。
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【著者】小野剛
【発行】株式会社カンゼン
【判型】四六判/272ページ
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