「子どもの動きが鈍くなった…」。成長期におとずれる「クラムジー」に対して保護者と指導者は何をすべきか?
2019年02月07日
メディカル&コンディショニングシンプルな動きを繰り返す
クラムジーの対策は、大きくあと二つあります。
一つは、「クラムジーの時期は、できるだけシンプルに、体を大きく動かす運動をすること」です。
クラムジーになると多くの場合、体を大きく動かせば動かすほど子どもは違和感を覚える傾向にあります。
先の「足に重りをつけた状態」で例えると、数メートルのパスのような小さな動きよりロングシュートの時の大きな動きの方が違和感を覚えやすい、というイメージです。
そのため、クラムジーの現象が強く出ている選手ほど、違和感を減らしたいがために動きをわざと小さくしてしまう傾向にあります。
そしてこれが厄介で、必要以上に小さい動きを続けてしまうと、体や脳はその小さな動きを覚えてしまい、やがてクラムジーの現象が治まってきたとしても、本来のダイナミックな動きを取り戻せなくなると言われています。これを防ぐために、できるだけシンプルで体を大きく動かす運動が良いということです。
具体的には、腕を大きく振るスキップや走り幅跳び、側転など、普段のサッカーではそこまで大きく使わないだろう、というぐらいのダイナミックな動きです。
これはあるサッカーの指導者から聞いた話ですが、クラムジーの対策として練習の所々にあえて試合では使うことがないだろうロングシュート練習を行い、一球一球の動きの感覚を確認するようなメニューを取り入れているとのことでした。
このように、基本的にクラムジーの時期は、今までやってきた内容をできるだけシンプルに反復して、感覚を確かめる程度にとどめていく方がベターでしょう。
もう一つは、「体重が増えすぎないように気をつける」ということです。当然といえば当然ですが、必要以上の体重増加は動きを余計鈍くすることになります。
体を動かす「エンジン」の性能はすぐには上がらないのですから、「車体」はできるだけ重くせず、今までどおりに維持することが大切です。
ここまでご紹介したことがクラムジーの現象を少しでも軽く、短期間に抑えるような対策ですが、同時に、クラムジーの時期は「やってはいけない」とされていることも知っておきたいところです。
①トレーニングや練習で、無理な負荷をかけすぎる(疲れた状態での反復動作)
②新しい技術、動きなどを覚える練習・トレーニングばかり行う
③癖や違和感を直そうと、必要以上に神経質になる
これらはいずれも、脳や神経系を混乱させてしまうと言われています。
クラムジーは最初に書いた通り、「体の変化に、脳や神経系、感覚器がついていけてない」状態と言われています。このとき、子どもの脳は、体の変化についていこうと必死です。今までやってきた運動経験(神経系のネットワーク)を必死に思い出して、感覚を取り戻そうとしています。
そのときに、次々と新しいことを覚えようとしたり、疲れで普段の動きができないのに動きを反復させてしまうと、今までの運動経験やその感覚をより混乱させてしまうことに繋がります。
あくまでシンプルな運動や練習、これまで習得してきた内容の反復をしながら、戦術面などフィジカル以外の部分で磨きをかけていくことがベターだと、現時点では言われています。
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