個人の問題をチームの問題に置き換える。湘南ベルマーレ・曺貴裁監督が進める組織の骨格作り
2019年02月10日
コラム
個人の問題をチームに置き換えられるか
チームが上手くいく、上手くいかない。それは、個人が生きている、生きていないということと、ほぼイコールだと思っています。個の良いところを常に出したい。ただ、風が吹いてきて屋根が飛ばされたとして土台は残っていなければならない。土台が残っていれば修復はできますから。ミス、アクシデント、あるいは失敗といわれるものを最小限に抑えることが、チーム作りでは最も大事だと考えています。災害に強い家みたいなものです。
誰かがミスをしたとして、「それは俺のミスじゃない」という選手がいるのはチームとして良くない。1人の大工さんがミスをしても、隣の大工さんが気づいて「釘打っといたよ」というのがチーム。
割れ窓理論というのがありますよね。1つ割れている窓を放置しておくと、他の窓もすべて割られてしまうという話ですが、1つ割られたときにすぐ直せば全部割られるようなことはなくなる。
それと似ていて、何か1つ問題があったときに放置するかどうか。例えば、試合で交代した選手がフィールドから外へ出ます。そのときに監督との握手を拒否して、ペットボトルを蹴っ飛ばしたとしましょう。
「そんな選手は問題なので解雇しろ」という意見もあるかもしれませんが、クビにしたところで組織は良くなりません。まず、なぜ彼がそういう行動をとったのかを考えないといけない。
もしかしたら、普段からそういう態度をとっていたかもしれない。じゃあ、そのときに気づいた他の選手やスタッフは注意していたのか? もし誰も注意していなかったのなら、普段からそういう行動が許されていたということになる。だったら、そいつがやらなくても他の誰かが同じような行動をとったかもしれないわけです。
1つの問題をチームとして考えることで、個人の問題がチームとしてどうあるべきかに関連づけられる。人と人の関係に置き換えてみて投げかけると、意外と個人攻撃はなくなります。個人のミスが個人にとどまらなくなる。それが失敗のミニマム化につながると思うんです。
シュートを打たれそうなとき、監督から「滑れ!」と言われて滑るのか。それともチームの皆を裏切りたくないから滑るのか。同じ行動でも全然違いますよね。そういう細かいことのほうが実は大事で、それがチーム作りの骨になっていくわけです。
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