育成年代で「普遍的な戦術」を教えなければ、新しい環境に順応できなくなる

2019年03月08日

育成を考える

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【左から倉本和昌氏、坪井健太郎氏、特集を担当したライターの木之下潤氏】

どこに行っても通用する普遍的な戦術

高橋 前回の部活動の話にも少し関係があると思うのですが、日本の教育システムの場合、6-3-3(小学校—中学校—高校)と分かれているじゃないですか。よくあるのが中学の3年間と高校の3年間で全く違うサッカーをするチームになったときに、「中学の時はあれだけいい選手だったのにダメになっちゃったな……」みたいなことってすごく多いと思うんですけど、順応性みたいなものはどうすれば身につくものなのでしょうか?
 
坪井 まずは、低年齢でどこに行っても通用する普遍的な戦術っていうのをきちんと教えなきゃいけない。
 
倉本 それは技術っていう解釈になっているのでは。どこででも使える技術を身につける。だからその基礎を叩き込む。戦術っていう解釈じゃないんだよねきっと。
 
坪井 今、チーム戦術も一般的な戦術とプレーモデルに近い特質性の高いものをきちんと分けて整理しなくてはいけないと思っていて。
 
 要はプレーモデルというものをざっくりどういうものなのか説明すると、とあるチームAでは機能するけど、違うチームBに対しては、同じプレーモデルは機能しない。だけど、普遍的な戦術というのは、どのチームでも機能するもの。この普遍的な戦術というものを育成年代できちんと教えないと、チームAで通用するものだけを持って、次のチームに行ったときに活きないんです。
 
 今危惧しているのは、日本ではプレーモデルなど特質性の高い話がトレンドになっていて、それを鵜呑みにして小学校3、4年生に対して同じプレーモデルだけやっていたら、その指導を受けていた選手は将来困ることになる。
 
 スペインがまさにそう。今僕のチームの高校生年代の選手たちが、小学生年代の頃にプレーモデル、特質性の話がすごく流行ったんですよ。で、その子たちが10年間指導を受けてきたのは、そのプレーモデルの話ばかりなんですよ。
 
 今一緒に戦っている選手たちは、プレーの幅というか深さ、引き出しが少ないなと感じます。この状況ではここにサポート、でも状況によってはプレーを変えるよね。と、いうような状況に合ったプレーの選択です。今、カタルーニャのサッカー理論だと攻撃は『深さ』と『幅』と『マークを外す動き』。守備では『マーキング』と『カバーリング』と『ペルムータ(入替・交換)』。これはどこに行っても使える個人戦術なんですよ。この基礎的な部分をきちんと習得したうえでプレーモデルに入っていくのと、これをやらずに個人のタスクだけを追求してずっとやっていくのでは、将来プレーの幅が大きく変わってきてしまうんですよね。そこは今の日本のサッカーに対して危惧していることです。そういったことをアカデミックに学んでほしいという気持ちでオンラインコミュニティを作りました。そういう場の提供をもっとやっていかなきゃいけない。

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