「冬の体を春仕様にリセット」子どもでも食べやすい春の山菜は? 面倒な下処理を簡単にする工夫
2019年04月16日
フィジカル/メディカル4月から新チームでの試合が増えてくることに備え、子どもの体を春仕様に整えておきたいものです。そこで、4月の食育連載のテーマは「冬の体を春仕様にリセット」にしました。さらに春のリーグ戦やカップ戦に向けて「フルパワーを出せる体」に仕上げるのも食事でできるサポートの一つです。そこで、管理栄養士の川上えり先生に春のオススメ食材についていろいろと伺いました。
構成●北川和子 写真●ジュニサカ編集部
【前回】冬から春へ! 寒暖差を乗り切るためには「旬の食材」が持つパワーが必要
【春の七草“セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ(かぶ)・スズシロ(大根)”】
春の七草を旬の時期に食べる意味
新年度は、学校行事もサッカークラブの活動もたくさん詰まっている時期です。例えばサッカークラブでは春のリーグ戦やカップ戦で試合数が増え、学校では新しいクラスで運動会の練習が始まったりするため、子どもたちには知らないうちに疲労の色がにじんだりしています。この時期に無理しすぎて5月に心身のバランスを崩すケースも見られるようです。だからこそ日々の食事や睡眠を通じて、できるだけ毎日体をケアしていきたいものです。
前回(冬から春へ! 寒暖差を乗り切るためには「旬の食材」が持つパワーが必要)は、春の食材と栄養の特徴について紹介しましたが、冬の老廃物を排出して体をリセットすることは、疲れを引きずらないためにも必要なことです。
昔から正月明けの1月7日に七草粥として「春の七草」を食べる風習があると思います。旧暦では2月の中旬にあたるそうです。
昔からの言い伝えで、「初物七十五日」という言葉があり、「初物を食べると75日寿命が延びる」という意味で使われているそうです。調べてみると、初物の縁起の良さ、さらに高い栄養価を表した言葉の意味も含んでいるようです。寿命に関わるかどうかは別として、先人たちが言い伝えてきたことは理に適ったことがたくさんあります。なぜなら旬の食材は栄養価が高いため、効率よくビタミン・ミネラルを摂取することができるからです。
春の七草も大地の栄養をしっかりと取り込み、その時期に必要な栄養を持っています。厳しい寒さを乗り越えて芽を出し、生長のまっただ中で採取された七草などの若菜は、冬の間に人間が体内に蓄積させた余分な老廃物を排出する効果が期待できます。そして、他にも子どもたちの成長期に必要な成分も多く取り込んでいます。
「春の七草」はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの7種の草のことを指しますが、その年の無病息災を祈って、疲れた胃腸をいたわるための習慣だと伝わってきたものです。その中の一つ「セリ」は4月までが旬で、体が春仕様にモデルチェンジするのをサポートする栄養を豊富に含んでいます。
特に春の食材はセリなどに象徴されるように、若菜や山菜といったデトックス作用の高いものが比較的に多いのも特徴です。そこで、もう一度春の旬の食材で代表的なものをあらためて挙げてみます。ビタミンCが多いセリ、春キャベツ、新ジャガイモ……、葉酸が多いワラビ、アスパラガス、フキノトウ、タラの芽……、鉄分が多いセリ、タラの芽、アサリ、イカ……。
その中で、4月の食育連載レシピに使用する食材は、様々な栄養がたっぷりの「セリ」と「タラの芽」にすることにしました。次のページでは、それぞれが含む栄養素と下処理方法、調理方法について紹介したいと思います。
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