お気づきだろうか?「自分で考えろ!」という言葉が持つ”自己矛盾”に【サッカー外から学ぶ】
2019年04月25日
育成/環境
他人の自己矛盾を笑うな
「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、「自分で考えろ!」と怒鳴るコーチを笑ってばかりもいられない。
「自己矛盾は、発言している本人が自ら気がつくのが難しいんですね。でもそれを耳にした他人はすぐに気がついてしまう。気づいてしまうと滑稽なんですけど、それを指摘された人は、今度は強烈な自己弁護に終始するんです」
連載1回目の“中田英寿さんの俯瞰力”でも触れたが、抽象化がうまい人は、自分より少し上の視点で自説や持論を客観視するのがうまい。具体化の世界だけに生きる人は、こうした自己矛盾に気がつきにくい。自己矛盾の例を目にして他人を笑っている私もあなたも、「自分のこと」となると矛盾に気がつけない可能性が高いのだ。
「あの人は他人の批判ばっかりしているからダメなんだ」
「お前の意見を押しつけるな!」
「視野が狭いヤツは絶対に許せない」
「全社一丸となって多様性を推進します」
あえて答え合わせはしないが、ちょっと注意して読み直してみれば、これらの発言が自己矛盾を孕んでいることに気がつく。これに類することを言っていないかと自分の言動を振り返ると、ハッとする人は意外に多いのではないか。FacebookやTwitter、サッカーコーチ同士の交流に限らず、こうした言葉は社会で普通に流通している。
だからダメだと言うことではなく、自分の考えを公に表明するのに“絶対正義”を押しつけようとしたり、他者への批判をベースにすると、その発信自体が自己矛盾に陥るということを心に留めておく必要があるのだろう。
魅力的な選手を育てているコーチたちは、「すべて言われた通りにする選手よりも与えられたものを鵜呑みにせず、疑ってかかる選手の方が伸びしろがあるし、後々成長する」と声を揃える。つまり、成長する選手は、「自分で考えろ」と言われたから考えているのではなく、「考えろと言われて考えるのって自分で考えてなくね?」と思える選手だということになる。
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