育成に必要なのは愛である。どんな指導法よりも大切なこと【GKを準備する】

2019年07月05日

メンタル/教育

連載『ジョアン・ミレッはGKを準備する』第3回。今回は、GKの育成に特化した話だけでなく、フィールドの選手はもちろん、子育てにも通ずる話となっている。

【連載】「ジョアン・ミレッはGKを準備する」
  

通訳●倉本和昌 取材・文●高橋大地 写真●佐藤博之、ジュニサカ編集部


 
GK ゴールキーパー キーパー
  
「お前は一番いいポジションを選んだぞ」

――前回(1回2回)までとは少し話を変えていきます。GKコーチの質に関しては、日本とスペインも大差ないというお話でしたが、スペインの子どもたちやその保護者など、サッカーの専門家じゃない方々の中における、ゴールキーパーの認知度というのは日本とスペインで違いはありますか?
  
 スペインと日本の違いでいうと、スペインではもし子どもが自ら「キーパーをやりたい!」と言ったとしたら、キーパーをやらせます。
  
 日本でも子どもが何かをはじめたいと言えば、まずやらせるのが普通ですよね? でもことゴールキーパーに関しては、子どもが「やりたい!」と言ってもローテーションにしたりすることが多いのではないかと思います。
  
――確かに子どものころからGKに特化するのはあまりよくないというイメージがあるかもしれません。では、もしジョアンのお子さんやお孫さんが「GKをやりたい!」と言ったらどうしますか?
 
 必ず「お前は一番いいポジションを選んだぞ」と言います(ニヤリ)。
 
「(GKは)サッカーの中でも一番大変なポジションだ。ゴールを決められて落ち込んだりすることもある。だけど心配するな。いつかなかなかゴールが決められないようになる。なぜなら俺がお前のことをサポートするからだ。今は全部シュートを止めるとか、速いシュートに反応することなんかできないよ。
 
 でもね、フィールドの選手に『シュートをポストに5回当ててみろ』と言ったところで全然当たらないでしょ? じゃあなんでキーパーは5回シュートを確実に止めなきゃいけないんだ、と考えればいい。だから焦らずにいこうじゃないか」……。と、このように伝えたいことはいっぱいあります。
 
 例えば、あなたが今「キーパーをやる」モチベーションが高い9~10歳の日本人の少年だとします。
 
 でも毎回試合ではローテーション。ゴールキーパーをやる日もあれば、別の日はフィールドの選手として走ったりシュートを打ったりしなければいけません。
 
 FWのときは、シュートを外しても「大丈夫、大丈夫、次あるよ」と、チームメイトや監督は言います。でも一方で、次の試合にゴールキーパーとして出場したときに3失点。そのとき周りの友だちからは「あれは取れたでしょ」「何やってんだGK!」と責め立てられる。
 
 そういった状況に陥ったときに、誰もあなたに「大丈夫だよ」とか声をかけてあげたり、助言をしてくれなかったとしたら、次の試合であなたはキーパーをやりたいと思いますか?
 
 これが本当に9~10歳の子どもならだいたい泣きます。こういう状況があるから日本には優れたゴールキーパーが生まれてこないのではないかと思っています。

 

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