「やればやるほどうまくなるわけではない」。久我山に学ぶ練習制限をポジティブに考える方法
2019年07月29日
育成/環境
一週間、一年間を通したプランニングとは?
――それでも通常の高校サッカー部に比べると、かなり制限がある中でやられているのですごいです。
清水「慣れましたね(笑)。この間の関東大会も顧問の先生が調整してくれて、前々泊を認めてもらったんです。学校で練習をしたその夜に鹿嶋入りして、次の日に一日練習して、という流れでした。その一日練習で、グラウンドを一面全部取ってもらったんです。選手たちと「一面でやるなんて久しぶりだね」なんて言っていたんですけど、結局、前日練習になるので大したことはできません。調整日ですからね。『もったいないな、これ』と、みんなで笑いました」
――昨今のサッカー界では「90分」の練習が当たり前みたいな流れになってきていると思うんですけど、清水監督は初めからそういう環境に合わせざるをえないといった感じだったんでしょうか?
清水「導入からいえば、環境面が先でした。ただ単純に、私自身が学生時代に経験したのが、いわゆる超体育会の部活動でしたから、それに対する反面教師的な気持ちはずっと持っていました。
『サッカーは楽しくなきゃいけない』
『ダラダラやっても意味がない』
指導者を始めたときからそういうことは感じていましたから。選手が意図的に自主トレをやるのはいいけど、チームトレーニングを強制的に長い時間ダラダラするのがいいとは、まったく思っていませんでした。前監督の李(済華)さんも同じ考えだったので、そういう意味では久我山にマッチしたなととらえています。
もちろん合宿とかで、時間に余裕があったり、時間を自由に使えたりする場合には、少し長めに練習したりすることはありますけど、普段はそこまで必要ないなと。練習をいっぱいやればやるほどうまくなるのがサッカーではない、と私自身は思っていますから。先日インターハイの予選があり、試合に出なかった子たちの練習ゲームを行ったときにも言ったのですが、『この週末のゲームのために、ここでベストパフォーマンスを出すために火曜から土曜までがあって、ここで一番うまくならないといけない。ここが一番うまくなるときだから』と伝えました。
つまり、そのゲームのときに疲れていたらうまくならないと思うんです。『全力を出して戦うんだ』と。結局、そこまでの練習で疲弊させるようなことをしていたら、この言葉の意味もなくなってしまいます。クオリティを高めるために、いかに効果的に練習するかは指導にとって大事だと思います」
――一週間の流れというのが、何となく高校サッカー部の中では決まっているんでしょうか?
清水「専属のフィジカルコーチがいるのでフィジカル・コンディショニングは任せています。火曜はだいたい筋トレがあります。大枠ですが、スタビリティ、ムーブメント、パワー、スピード系といった流れです。サッカーのトレーニングは基本的に休み明けの火曜日は、ボールフィーリングというか、ボールタッチが多くなるようなトレーニング、またゲーム感覚を取り戻すためにミニゲームだったり、どちらかといえば負荷が上がらないように調整しています。なので、明日は少し負荷が高いトレーニングをします。
今週は土曜日が試合になるので、木曜が負荷を上げるためにゲーム優先の構成になりますが、日曜が試合だと、もっと練習の強度を高めてからゲームをしたり。そこから金曜日に負荷を落として調整し、週末の試合を迎えるという感じです。本当は、水曜日にゲームをしたいのですが、その日はグラウンドが全部使えないので、木曜日にゲームをすることが多いです。いずれにしろ週の真ん中に強度のピークを持ってくるという流れです。ポゼッションのようなトレーニングは水曜にやることが多くなります。
今は、特に2対2とかを取り入れています。チーム立ち上げからインターハイまでは、徹底的に『点数を取る』ことに絞り、攻撃をテーマにしてきました。守備については後で整備するというか…。インターハイくらいまでは基本的に攻撃的な部分を作るためのトレーニング、ポゼッションとかをメインに練習を積み重ねています」
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