誰がため、何のためのサッカーか。ジュニアサッカー取材備忘録

2019年09月04日

育成/環境

今夏も6〜9月にかけて様々なカテゴリーで、いろんな形式の大会が行われた。6月には「2019コパ・ベルマーレU-11」、8月には「JFAバーモントカップ」(第29回全日本U-12フットサル選手権大会)、8〜9月にかけて「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019」を取材した。

そこで、今月の特集は「ジュニアサッカー取材備忘録」と題し、それぞれの大会で気づいたことを書き綴りたい。テーマを一つに絞り込むと、他に存在するジュニア年代で大切なことを伝えられない場合もあるので、今月はコラム形式で多様な記事を配信させていただきたいと思う。ぜひお付き合いいただけたら幸いだ。

【9月特集】ジュニアサッカー取材備忘録

取材・文●木之下潤 写真●高橋大地(ジュニサカ編集部)


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ジュニア選手たちをどういう風に評価すべきか

「取材するチーム、指導者はどうやって決めてはるんですか?」

 先日、関西の指導者にこんな質問を受けた。ドイツでサッカー指導者をしている中野吉之伴氏の講習会で出会った若手指導者なのだが、興味ある講習会などがあれば関東にまで足を運ぶ勉強熱心な青年だ。先日、9月1日まで大阪で開催されていた「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019」にも京都から来ていたので一緒に試合を観戦した。

 一般的に、日本のメディアは注目度の高い選手のいるチームや勝ち上がるチームを取材対象にしていることが多い。もちろん、その通例は私自身にも当てはまる。しかし、だからとそれだけに固執してはいない。社会の仕組みとしては、そういうチームを取材したほうが間違いなくお金になる。それは紙媒体でもWEB媒体でも記事として取り上げられる確率が高いからだ。

「注目度の高い選手がいるチームだから」
「勝つチームだから」

 でも、これらの理由が、私にとって取材対象となる理由にはならない。そこには、自分なりのわけが二つ存在する。一つは、現状のジュニア年代で注目度の高い選手が一年後も順調に成長しているとは限らないから。例えば、ジュニアユースの大会を取材して「あれ、あの選手は?」と探すが、ベンチにすら座っていないケースはざらにある。だから、育成段階の選手をサッカーだけの要素で評価してはいけない。

 もう一つの理由は、勝つチームが必ずしも「いいサッカーをしている」わけではないからだ。育成年代の試合をずっと見続けていると、「ウソでしょ?」と信じられないミスを目にすることがいっぱいある。たとえ、それまでがどんなに好チームだったとしても、突然ゴール前でこれまでだとありえないミスパスをしてしまって失点を喫し、それで負けてしまう試合をごまんとある。

 だから、私はジュニア年代の大会で取材対象を決める時、「いい試合をしているか」で判断している。では、「いい試合をしているか」の評価基準だが、シンプルに二つに目を向ける。一つ目は、選手一人ひとりが意思を持ってプレーしているか。二つ目は、指導者が子どもたちの成長を汲み取った言動と行動、それに伴った所作や立ち振る舞いをとっているか。その二つだけだ。

 もちろんサッカー的、個人能力的な観点では、細かくチェックしている。だが、技術的に「うまい」とか「下手」とかという視点では見ていない。それよりも動きの滑らかさ、ゴールを意識した体の向きの作り方、基本システムをベースとした立ち位置の取り方など、この年代で身につけるべき基本的なサッカーを表現するために必要な自分なりの項目を確認している。

 言葉で説明すると下記になるが、ここに関わる項目についてはかなり深く掘り下げて観察する。そして、それらをゾーンごと、ポジションごと、試合展開ごと、時間ごとに…項目を挙げだしたらキリがない。ただ、個人的にはサッカーというスポーツの普遍的なものにこそ、特にジュニアの選手が身につけるべきことだと思っているので、現在地でうまい下手、勝った負けたで論じることはナンセンスだと感じている。

「サッカーというスポーツで絶対に変わらないゴール、11対11のチーム戦、足でプレーするという要素が歴史の中で自然に、しかし必然をもって生み出した、基本的なプレーメカニズム(プレー構造)を理解して試合に関わっているか」

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