認知から行動までの“神経回路”をつくる「コーディネーショントレーニング」の重要性

2019年09月20日

フィジカル/メディカル

サッカーは複雑なスポーツです。ルールは相手よりも多くゴールを奪ったほうが勝利するというシンプルなものですが、ひとりの選手にフォーカスをすると、広大なフィールド上で数あるサッカーのプレーの中から行動を選択し続け、ときに機敏に、ときに激しく体を動かします。そんなサッカーというスポーツにおいて、相手選手よりも優位に立つ方法は様々なものがありますが、その中で「コーディネーション能力」は欠かせないキーワードの一つです。そこで今回は「YUTO NAGATOMO FOOTBALL ACADEMY」で活動する山本周平さんから「コーディネーショントレーニングの重要性」についてお話を伺いました。

取材・文・写真●中村僚


コーディネーショントレーニング01

コーディネーショントレーニングとは

 人間が体を動かす仕組みを覚えていますか? 簡単に言うと、脳が電気信号による命令を発し、神経を通って全身に命令が伝わり、筋肉が呼応して収縮する。もしくは瞬間的な反射の場合は、脊髄が信号を発して伝えることで、行動までの時間を短くします。誰もが学校で学ぶことでしょう。

 では、脳の命令は何を基準に発されているのでしょうか? それは五感、環境、経験など、さまざまな要素から状況を認知し、その状況に見合う判断を下した上で命令が発され、各筋肉が実行に移しているのです。

 ということは、まず最初の認知の段階で状況を正しく把握していなければ、その後の判断や命令も誤ったものが下されてしまうことになります。サッカーで例えると、相手選手の足が届かないコースと「認知」してパスを出したが、実際には相手の足が届いてカットされてしまった、といったところでしょうか。

 ところが、サッカーの現場で行われているトレーニングは、筋力トレーニングや走り込み、アジリティなど、命令が発された後の「実行」の部分が多いのが現状です。また、戦術的な練習は基本的な認知能力が備わることではじめて効果が最大限に発揮されます。そこで、認知・判断能力から実行までの神経回路を作るのが「コーディネーショントレーニング」です。

 日本でコーディネーショントレーニングを取り入れ、現在はアイスホッケー日本代表のトレーナーを務めたり、「YUTO NAGATOMO FOOTBALL ACADEMY」(YNFA)でコーディネーションクラスを担当する山本周平さんは、コーディネーショントレーニングの重要性についてこう話しています。

「コーディネーショントレーニングは、もともとドイツで生まれたものです。国際的なスポーツで勝てるような選手やチームを育成することを目的に作られました。例えば『右手をあげてください』と指示すれば、みなさんは右手をあげますよね。それは『右手』がどちらであるか、『あげる』という動作はどんなものかを『認知』して、実際の行動を起こします。その『認知』から『行動』までの神経回路を作るのが、コーディネーショントレー二ングなのです。

 神経回路は、9〜12歳のジュニア年代、いわゆる『ゴールデンエイジ』と呼ばれる時期に大きく発達します。その時期にコーディネーショントレーニングを行い、正確な神経回路を作ることが、後の選手としての完成度に大きく関わってくるのです。サッカーの動きだけでなくさまざまな動きをこの時期に練習することで、試合中の予期できない事態にも柔軟に対応することができるのです」

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