生と死を強く考えさせられた石川直宏選手の「2011」

2014年03月11日

インタビュー

東日本大震災から3年。2011年は、日本人にとって誰もが、生と死について強く考えさせられた1年だったに違いありません。FC東京に所属する石川直宏選手もその一人でした。震災、娘の誕生、親友・松田直樹選手の死――を経験した石川選手のお話を今回は、お届けします。

文●いとうやまね 写真●フットボールチャンネル編集部

※『プロフットボーラーの家族の肖像』より転載


◆父親として

「パパパパ、パパ」
 と自分を呼び、瞳が追いかける。
 その天使は、ぱたぱたとよく走りまわる。
 じっとしていなくて目が離せない。
「僕に似たのかな?」
 そう言うと、父の目がいちだんと細くなった。

 石川直宏32歳。
 娘の名前はカノン(樺音)。
 音楽好きの夫婦が考え出した名前である。
 マリンバ奏者だった妻の希望もあり、木琴にちなんだ木へんの漢字を当てた。
 木琴の奏でる、優しく、そして華やかな感じを出したかったという。
 
 美しい名前だ。
 
 父は娘を「姫」と呼ぶ。

 練習の早く終わる日や、休日には、積極的に家の外に連れ出す。
 お日様を浴び、風や緑や土や、いろんなものに触れさせるのだ。
「自然をそのまま感じさせたい」
 と、いつも考えている。
 自分も、そうやって育てられてきたからだ。

石川直宏

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