1対1でボールを奪えるようになるには? 球際の戦いに勝つ“確率”を高めるDF法

2020年07月30日

戦術/スキル

勝負の世界で相手に「100%勝てる」方法は存在しません。サッカーにおいても同じです。しかし、1対1などの球際の戦いで勝つことができれば、試合に勝つ可能性をぐっと高まります。では、球際の戦いに勝つ確率を高めるにはどんな方法があるのでしょうか。8月5日に発売となる『枝D ボールも自由も奪い取る術~守備からみるフットボールの新しい景色』より、“DFの型”について一部抜粋して紹介します。

『枝D ボールも自由も奪い取る術~守備からみるフットボールの新しい景色』より一部転載

文●内田淳二 写真Getty Images


Everton v Liverpool - Premier League
(写真●Getty Images)

球際の戦い方

 グー・チョキ・パー

 あなたは今、その言葉を聞いて何を連想しましたか?

 おそらく世界共通の、幼児から大人まで、何ならもはや全人類誰もが知っている、5本の指を握ったり絶妙な形にしたり夏の海ぐらいの開放感で開いてみたりする、3種類の型の噛み合わせで勝負を決するあの拳の拳法、『ジャンケン』を思い浮かべたのではないでしょうか。

 中西先輩が教えてくれた戦い方のアドバイスもこれとまったく同じです。できるだけ分かりやすく、球際の戦い方(5種類の型の選び方)をジャンケンに絡めながら説明していきます。

 ここからは、あなたが「ジャンケンに勝ちたい!」という想いに駆られている状態だとして、どうすれば勝てるのか、楽しめるのか、を一緒に考えていきましょう。

 まず、勝つ可能性を高めるにはどうすれば良いか? グーにはパーを、チョキにはグーを、パーにはチョキを。それを間違えないことです。ただただ間違えなければ良いだけです。

 では、どうすれば間違えなくなるのでしょうか?グーにはパーを、チョキにはグーを、パーにはチョキを。それを相手が出すスピードよりちょっと遅く出す、『遅出しジャンケン』をすることです。これなら間違いも、イチかバチかも減り、勝てる可能性も上がります。

 しかしこれでは、相手に対して、常にリアクションの姿勢となってしまいますよね。何より考え方がイケてない。もしジャンケンの大きな大会にあなたが出場するとして、大切な家族やお付き合いされている方などに、「俺の遅出しを見ててくれ!」なんていう、ホントの意味での臭いセリフを言えますか?

 僕が大切な家族やお付き合いされてる方側の立場だったら、「臭っ!」って言います。やっぱり正々堂々、真っ向から向かっていきたいし、向かっていってほしいですもん。その上で勝てれば、これ以上ない楽しさや大きな感動が全員を待っているわけですから。

 では、どうやって遅出しせずに間違えなくなるのか? グーにはパーを、チョキにはグーを、パーにはチョキを。ジャンケンの型は3種類。遅出しせずに間違えなくなるためには、その3種類の型を相手がどう使ってくるのかを、「瞬間的」に、「情報」として見極められる目を持つことです。そしてその目、いわば「情報の整理術」を使って、相手の「癖」や「戦い方」に対して常に先手を打ち続ける『先出しジャンケン』をすることです。

 正々堂々と真っ向勝負に向かっていく姿、カッコいいと思います。きっとその姿は胸に響き、映画では大体泣いている、あの全米も涙するのではないでしょうか。

 しかし、勝つための、楽しむための可能性を高める方法を知らなければ、常に「自分が出したい3種類」を、相手との関連性が何もないまま、イチかバチかで出し続けることになってしまいます。相手との勝負に勝つためには、相手の可能性と向き合うこと。「答えを教えてくれるのはいつだって相手」です。ジャンケンは3種類。グーにはパーを、チョキにはグーを、パーにはチョキを。でしたよね。

 一方、フットボールの球際は5種類。目には目を、攻撃には攻撃を、5種類の持ち方には5種類の型を。中西先輩が教えてくれたことを改めて整理します。

利き足への突破を消すには、お腹から行く【中西】を。
逆足への背中反転には、仰け反りの【縦山】を。
半身の腕キープには、腕取りの【間(ハザマ)】を。
腰のガッツリキープには、差し込みの【裏間(ウラハザマ)】を。
逃げ回りには、回り込みの【裏中西】を。
となります。

 「情報」は、相手が常に出し続けてくれますから、ボールを見る習慣を今すぐやめ、相手の 「癖」をとにかくよく「観察」することです。そして先手を打ち続ける。これが本書でオススメする『先出しジャンケン』の戦い方です。

 まずは、【中西】で相手の「利き足を消す」という一番高い可能性へのアプローチを。(シュートレンジに近ければ近いほど重要!)そして、残り4つの型は相手の「癖」に対しての「消去法」。そこから見えてくる次の可能性を見極めていき、枝D理論(グループ構造)へとつなげていくのです。

 ゲームや漫画の世界とは違い、ここは現実の世界。マスターすれば100%勝てるなんていう「必殺技」も「魔法」も当然存在しません。ですが、本書でお届けする枝D理論は、勝つ・ 楽しむの可能性を高めるものであることは、100%断言できます。


続きは『枝D ボールも自由も奪い取る術~守備からみるフットボールの新しい景色』からご覧ください。


枝Dボールも自由も奪い取る術

【商品名】枝D ボールも自由も奪い取る術〜守備からみるフットボールの新しい景色〜
【発行】株式会社カンゼン
2020年8月5日発売

枝D(ディフェンス)とは、元Fリーガーである内田淳二氏が考案するまったく新しいディフェンス理論のことです。

サッカーやフットサルはもちろん、ゴールを目指す球技であれば、広く活用することができる概念です。

枝Dは、‬‬‬意図的に数的優位を作り出せる攻撃的なボールの奪い方のことで、自分の足元にボールを「残す」ことができます。

なぜ「残す」なのか ‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬?もちろん答えは1つ。全ては得点(ゴール)のために─。


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