「いいサッカー選手」は「自分の範囲」が広い。成長の可能性を狭めかねない既成概念とは?

2022年12月03日

育成/環境

概念を取っ払うことから始めた

――ワーチャレではどうしていたんですか?

「まず、その概念を取っ払うことから始めました。子どもの考え方ありき、子どもができるものから考えるのが一番大切だなと。本当に危ないと思ったところを守る、取りたいと思ったところで取る。そういった感性を磨かなければ本当にいい人材は生まれないんじゃないかと思っています」

「でも、このエリアを担当しなさい、こうやってボールを受けなさいと教えられますよね。もちろん、それが向いている子もいると思うんですけど、可能性を狭めてしまうんじゃないかとも思います」

――ポジションはどう決めていったんですか?

「みんなが攻撃しやすいのは何かなと考えながらいろいろやっていく中で、真ん中にはあまり人がいない方がいいんじゃないかと思ったりもしたんですよ。丸とかクワガタみたいな並びとかもやってみました」

「試行錯誤する中で、ドリブルができて自分の範囲が広い子が2人いたので、周りが邪魔にならないように配置しました」

――選手の特徴をベースに、役割を与えていったんですね。

「そして、守れる範囲が広い子には、後ろを任せました。そうすると彼はいろんなことをできるようになって、彼自身の成長にもつながった」

「左利きでスピードはないけど気が利く子に左サイドを任せたら、うまく守ったりコースを消したり、ボランチみたいに真ん中に入って誰かのサポートをしたりできるようになった」

「右サイドの子は危ないシーンで足が出るんですよ。それが毎試合のようにあって面白いなと。1対1取られないし、どんどん前に出ていける。その5人が活躍できそうな形が決まり、チームとしての形ができてきましたね」

第3回は12月6日(火)に公開予定です!

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