4ゴールのゲームは守備の練習にはならない!? 課題となるタスクから逆算し正しく制約を課す【スモールサイドゲーム】
2024年04月22日
育成/環境スモールサイドゲーム(SSGs)において制約を正しく課すことはとても重要になってくる。課題となるタスクから逆算して制約を課さなければ、その練習は効果的なものにはならない。そこで今回はゴールの設定と制約に関して『サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門』より一部抜粋して紹介する。
著●内藤清志
4ゴールのゲームは守備の練習にはならない
ロンドのようにパスを通す本数によって得点を与えるというのも一種のSSGsではありますが、ここではゴールが設定されているものをSSGsとして扱います。
JFAや多くのサッカーの指導書では、攻撃の目的は“ゴールを奪う”こと、もしくは“ボールを保持する”こととしています。課題となるタスクが“ボールを保持する”ことであればゴールの設定をしないSSGsも考えられますが、選手はゴールが設置してあると、自分たちのプレーに対する答えを得ることができます。
攻撃であれば得点をしたことでプレーの正当性を得ることができます。ボールを扱う技術や選択肢への正しい判断だけではなくて、ゴール期待値(シュートが得点に結びつく可能性)やアシスト期待値(パスが得点に結びつく可能性)のように数値化によって目に見えるのは選手の自信につながる大切なことです。
ただし、ゴールを設定するうえで注意しなければならないのは、課題となるタスクが達成できていないのに、勢いだけで点が入ってしまう、ゴールが決まってしまう、という場合です。ゴールの大きさであったり、シュートを打つエリアの設定であったり、制約に問題がないか見直してみる必要があります。
ゴールの置き方としては、通常のようにゴールラインの真ん中に1台設置するのが基本です。ゴールが中央にあると、守備側からすれば外側のエリアは捨てて守ることが考えられます。課題となるタスクが“中央の失点につながる危ないエリアから埋める”ことであれば、クワトロゲームのようにピッチサイズの縦幅を短かくしてゴールを1台だけ中央に置くことで、最終的にボールはゴールを目指して中に入ってきますから、センターバックの選手は慌てずにポジションをとることができます。
ところが、フニーニョのように2台のゴールを置いた4ゴールのゲームにしてしまうと、守備の選手はポジショニングを見失ってしまいます。1台目のゴールに対しては正しい位置であっても、逆側の2台目のゴールの方にボールをふられてしまえば意味がありません。守備の練習のときは中央にゴールを設置す るのが基本です。4ゴールは簡単にいうと、攻撃の判断にフォーカスした練習といえるでしょう。
全文は『サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門』からご覧ください。
【商品名】サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2024/03/14
【書籍紹介】
エコロジカル・アプローチにもつながる本質的なサッカーコーチングバイブル
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