トランジションへの意識を向上。素早く攻守を切り替えるためのポジショニングとは【スモールサイドゲーム】

2024年04月01日

サッカー練習メニュー

これまで4対47対7など人数を固定したスモールサイドゲームを紹介してきた。今回は、3対1から3対5へと状況変化する攻守の切り替えを意識したトレーニングメニューを『サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門』より一部抜粋して紹介する。

著●内藤清志


課題となるタスク
 自チームがボールを失ったとき、すぐにボールを奪い返す。 自チームがボールを保持しているときから、ボールを失った場 合を想定した動きやポジショニングができるようにする。

オーガナイズ
 3対1から3対5へと変化するSSGsを行う。

 スタートは3対1の状態で3人組(B)がボールを保持して、1人のディフェンス役(A)にボールを奪われないようにする。ディフェンス役はボールを奪ったら、外側のエリアにいる4人(C)にパスを出す。この段階で3対5のSSGsへと変化し、エリアも中側に限定されず外側まで自由に使えるようになる。

 ゴールキーパーを付けたゴールを2台用意するが、ボールを奪い返した3人組はどちらのゴールを狙ってもよい。

引き出したい動き
攻撃側
・攻撃のBは、ボールを失ったときに外側のエリアにパスが出されることを想定して、外側の相手(C)の位置を常に確認していること。

守備側
・守備のAは、周りの状況を観察し、ボール奪取後に外側のどの味方(C)にパスを出すか考えていること。
・守備のCは、攻撃側(B)のパスミスに対応したポジションをとれていること。
・守備のCは、味方のAがボールを奪ったときに広いスペースでパスを受けられること。

コートサイズ
・外側のエリアは“ダブルボックス”と呼ばれるペナルティエリア2つ分(縦33メートル×横40メートル)のサイズ
・中央のエリアは正方形(縦6メートル×横6メートル)

時間
 ゲームというよりはトレーニングに近い形なので、ゲーム時間を15分にして、攻撃側がゴールを決めたら1点、守備側が5対3の局面になってから20本のパスをつないだら1点というような設定にする。

キーファクター(コーチングのポイント)
・変化する局面(攻撃→攻撃から守備への切り替え→守備→守備から攻撃への切り替え)に対応できること。
・3人組(B)はボールを回しているときに、パスを受けるためのポジションどりをしながら、外側にいる4人のポジショニングを意識しておき、ボールを失ったとき、素早く守備へと切り替えてボールを奪い返すように心がけておかなければならない。
・外側の4人組(C)は、内側のAがボールを奪った場合にパスを受けるためのポジショニングが必要となる。Aがボールを奪ったときにはBから離れた位置でボールを受けたいため外側のエリア(黄色)の奥行を利用するが、Bがパスをミスする可能性もあるため。そのときは内側のラインの近くにポジションをとっておき、ボールを奪った瞬間にBから離れるようにしたい。したがって、ボールの状況によって、近寄ったほうが良いのか、離れたほうが良いのか、を判断できるようにしなければならない。


全文は『サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門』からご覧ください。


【商品名】サッカー スモールサイドゲーム研究 課題を制約主導アプローチで解決するためのトレーニングデザイン入門
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2024/03/14

【書籍紹介】
エコロジカル・アプローチにもつながる本質的なサッカーコーチングバイブル

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