“早熟タイプ”か“晩熟タイプ”か。成長のピークはいつ訪れる? 子どものタイプを知ろう!!
2017年04月25日
フィジカル/メディカル子どもたちの成長は、私たち大人にとって大きな喜びです。しかし、成長のピークの訪れは、子どもそれぞれ。“早熟タイプ”の子どももいれば、“晩熟タイプ”の子どももいます。成長が遅いからといって、焦る必要はまったくないのですが、それぞれのタイプを考えずに大人が子どもたちに接すると、知らず知らずのうちにプライドを傷つけてしまったり、自信を失わせてしまうケースもあるようです。今回は、早熟タイプ・晩熟タイプ、それぞれの子どものタイプを知ったうえで、指導者や保護者はどのように接していったらいいのか、運動生理学・幼児教育の専門家である滋賀大学の奥田先生にアドバイスをいただきました。
文●奥田援史 イラスト●喜多浩太郎
※この記事は2013年10月17日に掲載した記事を再編集したものです

自分が子どもだったときの成長を振り返ってみる
一般的に、生活(暦)年齢に比べて心身の発達が早い場合を早熟、遅い場合を晩熟と言います。読者の皆さんも見聞きしたことのある言葉ではないでしょうか。
まずは【図1】を見てください。この図は、A~Eの5人について、年齢ごとにおける1年間の身長の伸びを示したものです。
身長の最も伸びる時期が子どもによって異なることを表しています。
この図で、Aは9~11歳頃に身長が最も伸びますが、中学卒業以降になると身長がほとんど伸びません。
つまり、早い段階でカラダの成長が見られるので、早熟児に該当します。逆にEは、中学校の後半ぐらいに身長が最も伸び、高校生になってからも身長が伸び続ける子どもで、晩熟児となります。
このように成長の記録を追っていけば明確ではありますが、実際に成長過程にある子どもを目の前にして、その子が早熟児、晩熟児と判断することは、かなり難しく、指導者が集団の子どもの中から、早熟児や晩熟児を正確に見分けることはできません。

ところが、お父さんやお母さんがわが子の成長を早熟あるいは晩熟と判断することがありますが、これはかなりの確率で当たっているのではないかと思います。
なぜなら、子どもは両親の遺伝的特性を半分ずつ受け継いでいるため、両親が自身の子ども時代の成長を振り返れば、わが子の成長の仕方を予測できるからです。
ちなみに、子どもの目標身長は、男の子の場合では(父の身長+母の身長+13)÷2、女の子の場合では(父の身長+母の身長-13)÷2と計算します。父親が175cm、母親が160cmなら、男児は174cm、女児は161cm程度の身長になると予測できます。この目標身長はあくまでも予測に過ぎませんが、早熟あるいは晩熟を判断するひとつの目安として利用できます。
いずれにしろ、早熟・晩熟も含めた子どもの発達は、出生前や出産時の状況、その後の生活状況(食、睡眠、遊びなど)、そして発達の経過状況などを総合的にとらえて、判断していかなければなりません。

身長の伸び方でわかる早熟タイプ・晩熟タイプ
さて、【図1】をもう一度見てみると、それぞれの身長の伸び方が山型の曲線で、その山型の曲線がとても似ていることに気づきます。
この図は簡便に図式化したものですから、実際には山型の曲線は少しずつ異なり、一人ひとりの子どもによって山の高さと傾斜が違います。それでも、大まかに見ると、山型曲線のピークがどの時期にあるかという点が違うだけで、そのピークを揃えてみると山形曲線は非常に似ているのです。
このことは、子どもの身長の発達は伸びる時期が異なるものの、ほぼ同じような発達の経過をたどることを示しているのです。正常な環境に育てば、窪みのある山や台形の山のような発達経過をたどることはありません。
こうした現象は、遺伝的影響の大きい身長においてのみ生じるとも言えますが、運動特性や心理的特性にも、同じような現象が見られるのではないかと筆者は考えています。
もしこの仮定が正しいとすれば、最善の環境を保障しながら、子どもの発達を待つという姿勢が大人には要求されることになります。この点については、読者の皆さんも一度考えてみてください。
ここでは、わかりやすくお伝えするために、確実に測定できる身長について記しました。もちろん、身長以外の特性でも早熟・晩熟と判断できることもあります。
いろいろな特性の発達の仕方にも個人差がありますので、例えば「心」だけが早熟という場合もあるかもしれません。ただ、人間の特性は、関連しながら成長するのが一般的です(もちろん例外はありますが)。よって、身長が伸びていれば心も成長していると判断できるのです。
プロフィール
奥田援史(おくだ・えんじ)
滋賀大学教育学部准教授。運動心理学・幼児教育専門。ドイツの大学にてサッカー指導法を学ぶ。元関西高校選抜。公認キッズインストラクター。運動発達等の研究論文多数。『ジュニアサッカーキッズのトレーニング集』(小社刊)をプロデュース。
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